研究課題/領域番号 |
02670283
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
安川 正貴 愛媛大学, 医学部, 助教授 (60127917)
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研究分担者 |
稲月 明 愛媛大学, 医学部附属病院, 医員
堀内 孝彦 愛媛大学, 医学部, 助手 (90219212)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1991年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1990年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 免疫不全症 / レトロウイルス / T細胞受容体 / 細胞障害活性 / 細胞内情報伝達 / HTLVーI / 細胞障害性 / 細胞内カルシウムイオン |
研究概要 |
目的:ヒトレトロウイルス感染によって惹起される免疫不全症の病態を解明する目的で、ヒトT細胞クロ-ンにHTLVーIを感染させ、細胞の機能的変化とそのメカニズムを検討した。方法:単純ヘルペスウイルス特異的CD4陽性およびCD8陽性細胞障害性T細胞クロ-ン、ならびに抗原非特異的細胞障害活性を有するT細胞受容体(TCR)γδ陽性T細胞クロ-ンを樹立し、HTLVーI産生細胞株と混合培養することにより、HTLVーI感染T細胞クロ-ンを作製した。これらのHTLVーI感染クロ-ンの、細胞障害性、表面抗原の発現ならびにTCRを介した細胞内情報伝達機構などの変化を検討した。結果:HTLVーIは、樹立した全てのクロ-ンに感染可能であり、プロウイルスDNAの組み込みを認めた。HTLVーI感染T細胞クロ-ンは全て、感染早期よりその細胞障害活性を失った。しかしこの時期には、レクチンを添加し標的細胞に密に接着させることにより細胞障害性は回復した。他方感染後期には、レクチン添加によっても細胞障害性の回復は認められなかった。さらに、細胞障害惹起物質であるパ-フォリンの発現を調べたところ、感染早期には発現量に差を認めなかったが、感染後期には低下していた。また、感染早期には細胞表面抗原の発現に明らかな差を認めなかったが、後期にはCD3・TCR複合体の発現量の著明な減少を認めた。さらに、感染後期には、抗受容体抗体添加による細胞内遊離カルシウムイオン濃度の上昇率も著しく低下していることが明らかとなった。結論:HTLVーIは種々のT細胞サブセットに感染可能であり、全てのT細胞亜集団に対して、TCRの機能異常を含んだ共通のメカニズムで重篤な機能不全を惹起させることが明らかとなった。現在さらに、そのメカニズムを種々のセカンド・メッセンジャ-に焦点を当てて解析中である。
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