研究分担者 |
中里 良彦 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (50227766)
浅野 賀雄 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (40222591)
杉本 秀芳 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (80201573)
丸木 雄一 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (70173953)
渡辺 誠悦 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (20220890)
於本 淳 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (60214227)
山元 敏正 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (10220485)
金 浩澤 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (50183306)
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研究概要 |
今日,脳死判定の際にも注目されている如く,脳幹部は生命維持に対し最も重要な役割を担っている事実に関して疑いの余地はない。とくに脳幹部自律神経系の果す役割が中心であると述べても過言ではない。 本研究では中枢性ノルアドレナ-ジックsystemであることが実証されている青斑核の脳循環代謝,脳血管反応性および自律神経反射に対する機能的役割を明らかにすると共に,青斑核と密接な線維連絡を有する孤束核,縫線核に関しても検討を加えた。 実験にはネコ・サルを対象とし,自律神経機能の検討には塩酸ケタミンによる軽麻酔下に上腕動脈ヘカテ-テルを挿入し,血圧・脈拍・呼吸と炭酸ガス分圧の連続記録を行い,hemodynamic functional tests(Aschner試験・Valsalva試験・寒冷昇圧試験・体位変換試験)を実施した。一方,脳循環代謝・脳血管反応性の検討にはαークロラロ-ス・ウレタン麻酔を追加しパンクロニウムにて非動化調節呼吸とした。電磁流量計を直接内頚動脈,外頚動脈,椎骨動脈および大腿動脈に装着,各動脈灌流領域の血流の指標とした。脳酸素代謝CMRO_2測定のため上矢状静脈洞にカテ-テルを留置した。脳幹諸核の刺激・破壊のため頭蓋骨に小孔を開けstereotaxicに電極を刺入し,刺激実験について電気凝固法を用いて右側に破壊巣を作成した。破壊1週間後の慢性実験も施行し,Sham手術群との間に比較検討した。破壊巣の確認には実験終了後,脳を摘出しホルマリン固定後,肉眼的と組織学的に実施した。 青斑核、孤束核,縫線核の破壊後,血圧を介する交感神経系優位に障害を認めた。脳血流は青斑核を除き一側破壊では有意な変化を示さなかった。脳血管反応性では脳循環自動調節に比較し,脳循環化学調節の異常が著明であった。内頚動脈系に対し椎骨脳底動脈系では,脳循環化学調節の障害が強く,しかも孤束核の関与が最も大きかった。
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