研究課題/領域番号 |
02670365
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
今井 壽正 順天堂大学, 医学部, 講師 (10053175)
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研究分担者 |
服部 達哉 順天堂大学, 医学部, 助手 (10218505)
中里 泰三 順天堂大学, 医学部, 助手 (80155697)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | パ-キンソニズム / MPTP / 尾状核 / 被殻 / 黒質 / 振戦 / カイニン酸 / 赤核 |
研究概要 |
1.MPTPによる片側パ-キンソニズム:サルの一側尾状核頭部または被殻内に金属カニュ-レを留置し、浸透圧ミニポンプを用いてMPTP4ないし0.4mgを2週間かけて注入した。MPTP4mg注入によって尾状核と被殻内で同様に永続的な片側パ-キンソニズムを作製することができた。MPTP0.4mgでは、反対側肢の屈曲位とhypokinesiaは被殻内注入の方が、逆にapomorphineによる回転運動の誘発は尾状核内注入の方が閾値が低いこと(症状発現のdouble dissociation)を見出した。尾状核内0.4mg注入による回転の誘発は経時的に注入開始5週後をピ-クとしその後は次第に減弱し、15週で回転運動はほぼ消失した。ピ-ク時に最大回転数を示した1頭は15週以降、回転の誘発方向が逆転した(変性に伴う再生過程か?)。脳を組織・化学的に検索し、注入部位と線条体内ドパミン欠乏の広がりと黒質ドパミン細胞の脱落を確認した。黒質細胞の脱落(対側を対照とする)は注入部位と量に応じてゆるやかなtopographyを示し、0.4mg役与ではpatch状の脱落を示した。回転運動の作製には黒質吻内側部の細胞脱落が重要と考えられた。オペラント行動による認知障害の検索、被殻内0.4mg注入後の経時的検索、側坐核内MPTP注入はいずれも緒についているが翌年に持越しとなった。 2.パ-キンソニズムの振戦の作製:サルで、上記の片側パ-キンソニズムを作製し、さらにMPTP注入側と同側の赤核(小細胞性)内にカイニン酸またはイボテン酸を注入し、それまで認められなかった安静時振戦が認められたが、sustainedとはならなかった。組織学的に赤核の細胞脱落を確認した。しかし、いまだ例数が2頭と少なく、この組合せで振戦が生ずるか否かは仮説の段階にある。MPTPによる片側パ-キンソニズムと小脳歯状核へのカイニン酸注入の組合せ実験も計画している。
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