研究課題/領域番号 |
02670367
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
稲村 憲治 日本医科大学, 医学部, 講師 (20151590)
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研究分担者 |
飯田 恵 日本医科大学, 医学部, 助手 (70212701)
添田 敏幸 日本医科大学, 医学部, 講師 (70154698)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
400千円 (直接経費: 400千円)
1992年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1991年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
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キーワード | 脳虚血 / 神経伝達物質 / 高血糖 / 再潅流障害 / てんかん / ドーパミン / in vivo microdialysis / カルシウム畜積 / 再環流障害 / 神経細胞障害 / ド-パミン / 脳神経細胞障害 / 興奮性アミノ酸 |
研究概要 |
本研究の目的は虚血及びてんかんによる神経細胞障害のメカニズムの解明にある。虚血障害の程度に大きく影響する因子として虚血前血糖値が挙げられる。つまり虚血の前に高血糖があると神経細胞壊死、浮腫の発生、梗塞の大きなど低血糖の時に比し高い傾向がある。我々はこれをくわしくしらべるため、高血糖ラートを作成し、虚血を行いその障害を詳しく検討した。つまり高血糖虚血中、最開通直後、最開通後種々の時間を設定し、その障害の進度及び経時的変化を病理観察した。今まで一般的に神経細胞障害は虚血中発生し、再開通後はそれほど変化しないと考えられていたが、我々の検討によると、病理的変化は虚血中は少く、再開通後に障害の大部分が現われる事が明らかとなった。つまり再開通現象が考えられていた以上に組織障害を助長する事を示した。虚血前血糖値が代謝的に脳組織に与える影響は、基質の過剰による。また嫌気的解糖の亢進による乳酸畜積が挙げられる。しかし基本的に乳酸畜積は虚血中に畜積し、再開通後には低下するものである。pHもまた乳酸の動向と同じく再開通後は正常化し、更にアルカリ側にシフトする事もある。神経伝達物質のドーパミンもまた虚血中に組織に畜積し、その後再開通により低下する事が in vivo microdialysis 法にて示された。in vivo microdialysisのプローブを異質に刺入すると、ドーパミンは検出されなかった。ドーパミンは興奮性アミノ酸のグルタメート放出の調節因子と思われ、ドーパミン代謝酵素、モノアミン酸化酵素(MAO)の阻害剤、パージリンの前投与で、障害の軽減が見られた。また延命率も高かった。神経細胞障害のfinal common pathwayとしカルシウムイオンの過剰流入が考えられている。我々は、この中でカルシウム流入による燐酸化の研究のため、活性型calciun dejedet calmuduli KinaseIIに対する抗体を入手して、免疫組織学的研究を行っている。正常状態では神経細胞は何割かは染色され、活性化された状態である事が示された。
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