研究課題/領域番号 |
02670378
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
関根 今生 東京大学, 医学部, 助手 (10134602)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1990年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 心筋細胞肥大 / コラ-ゲンマトリックス / 圧伝達機構 / ラチロゲン / 腹部大動脈狭窄ラット / 自然発症高血圧ラット |
研究概要 |
圧負荷ラット(1群)およびSHRラット(2群)にβ aminoーpropionitrile(BAPN)を投与、投与後3週目に体重測定後、心臓を摘出し、心室重量を計測、走査電顕および透過電顕試料を、また光顕用心臓輪切り切片を採取しこれらにて組織学的および心筋微細構造レベルの検索をそれぞれ行なった。 1.肉眼所見:1、2群共にBAPN投与されたものの体重の増加は明らかに減少し、BAPN10gr投与群はさらに減少した。また心室重量についてもBAPN投与群では非投与群に比しその重量は少なく、2群にあってはそれは著明だった。しかし心室重量を体重にて補正すると1、2群ともにその数値は非投与群より5gr投与群、5gr群より10gr投与群で大となり、2群ではそれが著明であった。 2、組織学的所見:心筋直径は1群では実測径では変化がないが、体重補正にて増加傾向、2群では心室重量同様BAPN投与群では径は小さくなり、しかしこれを体重補正すると投与量増加に伴い径も大きくなる。心筋面積比は1群ではBAPN投与されたものは心筋の占有比が大となるが、2群にあっては逆に減少する結果が得られた。 3、微細構造変化:strut個々の太さはBAPNの投与に関係なく大小の不同があったがその密度は投与群では疎になる傾向が強い。weaveについては心筋細胞周囲をとりまく密度は明らかにBAPN投与群で疎になっていた。透過電顕にてコラ-ゲンの性状に大きな変化をみなかった。 4、結論:BAPNによりコラ-ゲンマトリックスは微細構造上その形成は抑えられたが、一方体重補正にて肥大の傾向は得られるも有意のものではなく、圧伝達機構としてのその役割を証明するに至らなかった。しかし今回の実験系の中でSHRラットの反応は圧負荷ラットとそれを異にし、今後に興味がもたれた。
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