研究課題/領域番号 |
02670385
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山沖 和秀 東京大学, 医学部, 助手 (70182409)
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研究分担者 |
中岡 秀光 東京大学, 医学部, 助手
矢崎 義雄 東京大学, 医学部, 教授 (20101090)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 心筋シンチグラフィ / 抗ミオシン抗体 / 標識法の改良 / HMC50 / DTSSP / 心筋梗塞 / 血中クリアランス / 早期描出 |
研究概要 |
【目的】抗ミオシン抗体を用いた心筋シンチグラフィでは、抗体の血中停滞が長く、抗体静注後6〜24時間以内の早期診断が因難なことが問題であった。そこで、今年度の課題として、標識法の改良による、梗塞の早期描出の可能性を、実験的、並びに、臨床例にて検討した。【方法】(1)従来は、2官能基DTPAと抗体(HMC50のFab分画)を結合させた後に、DTPAーFabとInー111を混和し標識していた(Inー111ーDTPAーFab)。改良法では、DTPAに炭素分子3個分の側鎖(R)を結合し、更にDTSSPを介し抗体と結合した製剤(DTPAーRーDTSSPーFab)をInー111で標識した。まず、正常犬に投与し、血中・尿中の抗体値の推移を比較検討した。また、臨床的には、42〜72才の5例(心筋梗塞2、狭心症2,心筋症1)で、Inー111標識抗ミオシン抗体製剤(NMB50)74MBqを静注し、経時的に、血中、尿中放射能を測定し、また、全身像、心筋プラナ-像(6、24、48時間後)を撮像した。【結果】犬での検討では、改良により、静注後の血中クリアランスが促進しており、尿中排泄の促進が示された。臨床例では、血中レベルは、24時間後には、投与した放射活性の5・6±1.2%、48時間では3%未満であった。すなわち、撮像可能な血中放射能レベルに達するまで、米国Khawらの抗ミオシン抗体R11D10では投与後48時間必要とするのに対し、我々の製剤では、約24時間ですむことを示している。これは、血中に残存する製剤が、DTSSP部で分解され、分子量が小さくなり、尿中排泄が促進されるためと考えられた。発症1週問目の前壁梗塞例では、抗体投与後24、48時間に、良好な陽性像が得られた。従来の抗体が、48時間経過しないと判定因難であったが、改良法で、より早期から診断できる可能性が示された。以上から我々の開発したNMB50は、血中排泄が早く、患者の被曝減少が図れ、また、投与後1日目から梗塞検出ができ、有望な梗塞画像診断法と期待された。
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