研究課題/領域番号 |
02670399
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山本 博道 九州大学, 医学部, 助手 (20166820)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1991年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1990年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | エンドセリン / 血管収縮 / 細胞質カルシウムイオン濃度 / 平滑筋細胞 / 内皮細胞 / ミオシン軽鎖リン酸化 / カルシウム感受性蛍光色素 / 細胞内貯蔵カルシウム / カルシウム動員 |
研究概要 |
1.エンドセリン(ET)ー1の、Ca感受性蛍光色素(フラー2)を負荷した豚冠動脈微小血管条片の張力、細胞質Ca濃度([Ca]i)、ミオシン軽鎖隣酸化反応(二次元電気泳動法により測定)に対する効果を、同一標本において調べ、相互の連関を明らかにした。その結果、ETー1によって引き起こされる収縮には、(1)[Ca]i増加に依存し、燐酸化ミオシン軽鎖の増加を伴う要素と、(2)[Ca]i増加に必ずしも依存せず、燐酸化ミオシン軽鎖も増加しない要素が存在することが明らかとなった。[Ca]i増加に依存する要素には、細胞内貯蔵部からのCa放出が主として引き起こす成分と、細胞外Ca流入に依存し、燐酸化ミオシン軽鎖の減少を伴う、主として収縮維持に関与している成分が含まれていることが示唆された。さらに、ETー1には収縮蛋白質系のカルシウム感受性を増幅させる作用の可能性も示唆された。[Ca]i増加の関与しない収縮は、Wー7で抑制されず、Hー7では抑制されることから、Cキナ-ゼを介する機構が関与する可能性が示唆された。 2.フラー2を取り込ませた豚大動脈弁弁尖の表面蛍光連続測光法を用いて、内皮細胞の[Ca]iを測定した。ETー1およびETー3は、[Ca]iの上昇を引き起こし、細胞外Caの存在下では二相性の変化を示した。最初の相は、ピ-クを伴う鋭い[Ca]iの上昇であり、細胞外Caを除いた条件でも観察され、細胞内Ca貯蔵部からのCa放出によるものであり、第二相は、細胞外Caに依存性の[Ca]iの持続的上昇からなっており、細胞膜のCaチャンネルを介するCaの流入によるものと考えられた。さらに、ETー1が、ETー3の場合よりも大きな[Ca]iの上昇を引き起こすことを初めて証明した。従って、ETの生理的役割として、血管平滑筋の収縮を直接引き起こす作用(パラクライン)のみならず、内皮細胞の分泌機能を制御するオ-トクライン情報伝達物質としての役割も考えられた。
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