研究課題/領域番号 |
02670401
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
奥村 謙 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (20185549)
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研究分担者 |
泰江 弘文 熊本大学, 医学部附属病院, 教授 (40174502)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1991年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1990年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 内皮由来弛緩因子 / 一酸化窒素 / Lーアルギニン / アセチルコリン / 冠循環 / 反応性充血 / Lーモノメチルアルギニン / アデノシン / Endothelium / Nitric oxide / Acetylcholine / N^GーmonomethylーLーarginine / Coronary blood flow / Adenosine / Lーarginine |
研究概要 |
1.アセチルコリン(ACh)の冠血流量増加作用における内皮由来一酸化窒素(EDNO)の役割の検討:血管ト-ヌスの調節に重要な役割を果たしている内皮由来弛緩因子(EDRF)の本体は一酸化窒素(NO)であり、Lーアルギニンより生成されること、この生成はLーアルギニン類似物質[Lーモノメチルアルギニン(NMA)など]により阻害されることが近年示された。本研究では、冠抵抗血管においてEDNOが作用していることをin vivoにて確認するために、NMAを麻酔犬の冠動脈内に投与して、NOの合成を阻害し、内皮依存性拡張物質であるAChの冠血流増加作用に対する効果を調べた。【結果】AChを冠動脈内に注入すると、一過性の冠血流量増加を認めたが、NMA投与にてAChの冠血流増加作用は有意に減弱した。Lーアルギニンを投与するとAChの冠血流量増加作用は、速やかにNMA前のレベルに復した。一方、内皮非依存性拡張物質のアデノシン(Ad)の作用はNMAにて変化しなかった。すなわち冠抵抗血管においてもEDNOを介する血管拡張反応が認められた。 2.心筋の反応性充血(RH)におけるEDNOの役割の検討:RHの機序として、虚血による心筋からのAdの放出、酸素分圧の低下、血管平滑筋の弛緩に伴う血管抵抗の減少などが指摘されている。本研究では、麻酔犬の冠動脈を一過性に閉塞し、それに伴うRHに対するNMAの効果を検討した。またAdの役割と比較検討した。【結果】NMAはRHを有意に抑制し、さらにLーアルギニンはこれを回復させたことより、心筋のRHにおいてEDNOが作用していることが明らかとなった。Adの阻害剤である8ーフェニルテオフィリン(8ーPT)もRHを有意に抑制し、NMAと8ーPTの同時投与では、それぞれの単独投与よりも有意に強い抑制効果が認められた。以上よりRHという病態においてもEDNOが関与することが明らかとなった。種々の生理的および病的変化に伴う冠血流の調節にEDNOが関与する可能性が示唆された。
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