研究課題/領域番号 |
02670429
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
小泉 晶一 金沢大学, 医学部・附属病院, 講師 (50019973)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1990年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 抗癌剤 / 薬剤耐性 / メソトレキセ-ト / ロイコボリン / 白血病 / 葉酸代謝 |
研究概要 |
[はじめに]Methotrexate(MTX)耐性克服を目的として、新しい葉酸代謝拮抗剤であるtrimetrexate(TMQ)とCB3717の薬剤に関して、K562白血病細胞およびMTX耐性K562/MTX細胞を標的としてその抗腫瘍効果を調べ、MTXと比較した。また正常ヒト骨髄球系前駆細胞(CFUーG)に対する細胞毒性も検討した。さらにl型leucovorin(lーLV)投与によるこれら腫瘍細胞の細胞障害減弱と骨髄細胞レスキュ-の程度を検討した。[方法]K562とMTX耐性K562/MTX細胞(2x10^3/ml)を10^<ー8>M〜10^<ー3>M MTX TMQまたはCB3717とともに24時間培養した。その後lーLV(日本レダリ-)を最終濃度で10^<ー6>M〜10^<ー3>M添加し、メチルセルロ-ス(0.8%)を加えて5日間培養し、cloning efficiencyを比較した。正常ヒト骨髄(BM)単核細胞(2x10^5/ml)も抗癌剤と共に24時間培養し、その後lーLVとコロニ-刺激因子(GーCSF、10ng/ml、中外製薬)を添加してさらに14日間培養後、コロニ-形成能(CFUーG)を計数した。[結果]K562細胞とK562/MTX細胞に対するIC_<50>と比較すると、MTXでは100倍以上の耐性が認められたが、TMQとCB3717ではそれぞれ1.5倍、2.2倍であり、耐性度は著明に減少した。骨髄細胞はいずれの抗癌剤に対しても強い耐性を示した。lーLV添加によって腫瘍細胞においてもレスキュ-効果が認められた。K562細胞についてみると、約95%の細胞障害性を示す10^<ー7>M MTXに10^<ー4>MlーLVを添加した場合、40.3%+7.1%にまでcloning efficiencyは回復した。TNQとCB3717における回復率はやや低かった(15.1%+5.0%と27.4%+10.8%)。MTX耐性のK562/MTX細胞ではlーLVレスキュ-率はK562細胞に比較して有意に高かった。骨髄(BM)CFUーGについてみると、MTX耐性を克服する高濃度のMTX、TMQ、CB3717いずれの薬剤に対しても、lーLVは50%以上のレスキュ-率を示した。[結論]TMQ、CB3717はいずれもMTX耐性克服に有効と思われた。一方、lーLV添加により、腫瘍細胞も種々の程度でレスキュ-されることが知れた。BM細胞に対するlーLVのレスキュ-効果は高濃度のTMQやCB3717に対しても強く認められ、以上の結果から、適当な薬剤投与量と投与時間を配慮すれば、TMQやCB3717はlーLVの併用でMTX耐性克服に有効と思われる。
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