研究概要 |
好酸球の食物胞としての機能についてのまとめ 1.好酸球の分離:末梢血よりPercoll比重勾配遠心法にて好酸球を単離することが可能となった。屈折計を併用することによって比重差による採取が正確かつ容易になった。この方法により測定したところ、健康人と気管支喘息者の発作時と非発作時の好酸球に比重分布差は認められなかった。 2.附着能:ナイロン綿維法では好中球に比し劣っいた. 3.運動能:ランダム運動能,走比能ともに好中球に比し劣っていた.血小板活性化因子(PAF)は好酸球に特異的走化因子ではなく,好中球にも作用し,好酸球よりまさっていた. 4 貧食・殺菌能:大腸菌 黄色ブドウ球菌に対する殺菌率は好中球に比し劣っていたが,これは貧食率の低下のためで、殺菌能は同程度と思われる。 5.活性酸素産生能 (1).化学発光(CL):粒子(OZ)貧食による場合は好中球より低い発光量であったが,膜刺戟物質(PMA)では好酸球が亢進していた。 (2) O^ー_2産生能:OZでは差がなかったがPMAでは好酸球が高かった。 (3) H_2O_2産生能:PMA刺戟では好酸球が有意に高値を示した。 (4) 気管支喘息患者の発作時と非発作時での検討では発作時にO2,PMA刺戟とも高いCLを示した。H_2O_2交生能には差はみられなかった。 好酸球はある一定の條件下では好中球より多量の活性酸素を産生し、しかも細胞内より細胞外に対して放出するようである、アレルギ-性疾患において好酸球の放出する活性酸素が組織障害の一因となっていると考えられる。 6.Eosinophil peroxidace活性の測定方法を確立した。
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