研究課題/領域番号 |
02670466
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
青木 継稔 東邦大学, 医学部・小児科学, 教授 (50057585)
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研究分担者 |
風間 浩美 東邦大学, 医学部・小児科学, 助手 (90224386)
二瓶 浩一 東邦大学, 医学部・小児科学, 助手 (20218241)
舘野 昭彦 東邦大学, 医学部・小児科学, 講師 (70163491)
嶋武 博之 東邦大学, 医学部・分子生物学, 教授 (40010110)
内山 利満 東邦大学, 医学部・薬理学, 教授 (50057709)
原 まどか 東邦大学, 医学部, 助手 (60181004)
水谷 正興 東邦大学, 医学部, 講師 (50166021)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1991年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1990年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | Wilson病 / セルロプラスミン / 肝銅蓄積 / ライソソ-ム / LongーEvans Cinnamonラット / Dーペニシラミン / 塩酸トリエンチン / 胆汁中銅排泄障害 / 胆汁中銅排泄低下 / セルロプラスミン合成 / Dーpenicillamine / 塩酸トリエチレン / キレ-ト効果 / NMR法 / 発症前Wilson病 / 胆汁中胆汁酸分析 / 胆汁中銅含量 / 新しい銅キレ-ト剤 / トリエンー2HC1 / トリエンー4HC1 |
研究概要 |
先天性重金属代謝異常の代表的疾患であるWilson病は、低セルロプラスミン血、尿中銅排泄過多および肝銅含量の著明な増加を特徴とするが、その成因について明らかではないため、つぎの研究を行ない、以下の結論を得ることができた。 (1)Wilson病患者の肝銅蓄積の機序解明:3〜6歳の幼児期に発見された発症前Wilson病患者において、肝組織は肝硬変がまだ形成されず軽度の線維化等の微少変化にもかかわらず、すでに、著明な肝銅含量を示し、採集した胆汁中の銅含量の明らかな低値を認めた。また、低セルロプラスミン血も確認した。幼若Wilson病患者の肝細胞において、全般に銅沈着を認めたが、とくに、ライソソ-ムに蓄積が著明であった。 (2)Wilson病患者に対する各種銅キレ-ト剤の効果:Dーペニシラミン塩酸トリエンチンについて検討し、塩酸トリエンチンの除銅能効果および臨床効果を確認した。塩酸トリエンチンの尿中銅排泄効果は、Dーペニシラミンより劣るが、十分な排泄があった。長期間Dーペニシラミンあるいは塩酸トリエンチン服用中のWilson病患者の肝銅含量は、対照正常人より高く5〜7倍であったが、治療前の20〜40%と低くなっていた。銅キレ-ト剤服用中であっても、Wilson病患者の胆汁中銅含量は低値であった。 (3)Wilson病の新しいモデル動物LongーEvans Cinnamonラットの銅・セルロプラスミンに関する研究:LongーEvans Cinnamon(LEC)ラットは、セルロプラスミンoxidase活性の低下、尿中銅排泄増加、肝銅含量の著増を認め、Wilson病モデル動物と認定した。LECラット銅キレ-ト剤投与を行い、肝障害病症予防および肝銅蓄積抑制をみた。LECラットの肝銅蓄積は、生直後より始まっており、また、低セルロプラスミン血も生後より認められた。本ラットの肝銅蓄積の成因は、ヒトWilson病のものと極めて類似点が多いと推定した。
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