研究概要 |
表皮ランゲルハンス細胞(LC)が,種々の条件下で通常ほとんど発現していないCD4分子を強く発現するようになることが知られているがその機序については明らかでない。今回我々はその点を明らかにする目的で,手術時に得られたヒト皮膚を用いて,皮下組織を除去したあと,無血清培地であるKeratinocyte Conditioned Medicim(KGM)中で培養し,その培養液中にヒトのリコンビナントILー1,ILー2,ILー4,IFNーYなどを加えることによって検討した。培養開始後24,48,72時間毎とり出して(1)OCTコンパウンドに包理し凍結し,6μ切片を作成し,(2)一部は,トリプシン,DNase処理で細胞浮遊液とし,シェルドンサィトスピンを用いてスライドグラス上にのせ,(3)また残りは,チオシアン酵ナトリウムにより表皮シ-トを作成後.アセトン固定し,これらについて.免疫組織学的に検討した。免疫組織学的検討は,Len3a,HLAーDR,ーDP,ーDQ,ICAMー1,Len2aなどのモノクロ-ナル抗体を用いて蛍光抗体法で行なった。今回の実験に用いたサイトカインによってヒトLCにCD4分子の発現増強を観察することはできなかった。現在,これらのサイトカインを組み合わせることによってCD4分子の発現増強がみられるか否かについて検討中である。今回の検討中に,IFNーγによって表皮ケラケノサイト(KC)がHLAーDR,ICAMー1を発現することが確認される共に,その発現がビタミンD3によって影響をうけることが明らかとなったため,そのことを更に詳細に検討した。一方,in viroにおけるLCに対する各換サイトカインの影響を検討していたところ,TNFーαによって,KCのクラスIIMHCの発現増強がみとめられたため,それについて詳細に検討を加えた。
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