研究概要 |
RI実験施設内の放射性廃棄物処理室において、^3H,^<14>C,^<32>P,^<35>S,^<45>Caの標準試料をそれぞれ3.50×10^5Bq程度計量し、10lの液体シンチレータと乳化シンチレータに混入してシンチレーションカウンタで測定した。次にこれをシンチレータ廃液標準試料としてメタノールと1:1の割合に希釈し970℃で焼却試験を行った。試験項目は、【.encircled1.】燃焼状態の黙視テスト、【.encircled2.】排ガス量の計量、【.encircled3.】焼却試料の放射能、【.encircled4.】排ガス凝縮水(排水)の放射能測定、【.encircled5.】排ガス中の放射能測定、【.encircled6.】焼却炉内残渣の放射能測定、【.encircled7.】焼却炉内温度の測定、【.encircled8.】排ガス温度の測定である。 廃液の燃焼に必要な焼却炉内温度の維持は、シンチレータ廃液自体の燃焼による自発熱で、燃焼開始時及び燃焼中の温度低下に対する昇温は都市ガスである。廃液、都市ガス共に高発熱燃料であり、安定した昇温並びに定温燃焼が可能であった。焼却炉、炉内液送管、残渣受け皿等をセラミックスで作製することにより、焼却試料中に含まれる恐れのある隣、硫黄等に対しても耐腐食性が増大した。また、燃焼ガス冷却器内面のテフロンコーティングと、全放熱管内に放熱棒を挿入して放熱面積を増大させることにより、排気ガスの低温化が可能になった。 排水として回収された^3Hは約70%、^<35>Sは約20%であるが、^<14>C,^<32>P,^<45>Caは10%以下であった。また、排気中の^3H以外の割合は、^<14>Cが約40%、^<32>Pが約10%、^<35>Sが約20%、^<45>Caは約25%であった。したがって、排気ガス中放射能の回収を確実に、且つ安定して行う小型の装置を開発することが切望される。排気、排水中の割合が少ない^<32>P,^<35>S,^<45>Caについては、残渣中の放射能は高い値が期待されたが、3核種共に数%であった。残渣の量については、焼却廃液の成分により当然異なるが、焼却した廃液の合計100lに対して、回収された残渣は62.15gであった。
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