研究課題/領域番号 |
02670528
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
|
研究機関 | 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所 |
研究代表者 |
加藤 兼房 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 生化, 部長 (50022801)
|
研究期間 (年度) |
1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
|
配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1990年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | 神経系の老化 / Sー100蛋白質 / ダウン症 / アルツハイマ-病 / 脳特異蛋白質 |
研究概要 |
1)ダウン症患者(DS)より得たヘパリン血からa)血漿b)リンパ球画分、およびc)赤血球を分離し、各分画中のSー100αとSー100βを免疫測定すると同時に、Cu/Znス-パ-オキサイドデイスムタ-ゼ(SOD)濃度も測定し、21トリソミ-に起因するSODの遺伝子量効果を確認した。DS血漿(n=44)のSー100β濃度は160±70pg/ml、SOD濃度は87±83ng/mlで、対照血漿(n=28)のSー100β(76±25pg/ml)およびSOD(18±11ng/ml)と比べ高値を示した。しかし、血漿Sー100α濃度はSDと対照間では差は認められなかった。Sー100βが発現しているリンパ球画分でもSODと同様Sー100βの濃度がSD群で有意に対照群より高値を示し、21染色体長腕に座位するSー100βの遺伝子量効果がDSで発現していることが確認された。しかし、DS脳でのSー100βの過剰産生は症例がなく証明出来なかった。 2)アルツハイマ-病患者(ALZ)剖検脳の、前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉、それぞれの灰白質中のSー100蛋白質を含む各種の脳特異蛋白質(ニュ-ロン特異エノラ-ゼ、28ーkDaカルビンディン、Cu/Zu SODおよびMn SOD、GTP結合蛋白質Go)の濃度をイムノアッセイし、Ageーmatched control(AC)脳および若年対照脳(YC)の濃度と比較したところ、上記すべての蛋白質濃度は、いずれの部分でもALZとAC間では有意の差は認められなかった。しかし、前頭葉におけるALZおよびACのSー100β濃度はYCに比べ有意に高く、ラットで観察したように、加齢に伴いSー100βが増量することをヒト脳でも確認することができた。免疫組織化学的にSー100βは、ALZ脳海馬の老人斑およびアルツハイマ-原線維変化を起こした神経細胞様構造で陽性染色されることが往々観察された。 3)ラットSー100βのcDNAを用いた交配による3点法によって、マウスにおけるSー100β遺伝子の座位の第10染色体43番地であることを明らかにした。
|