研究課題/領域番号 |
02670549
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
岡留 健一郎 九州大学, 医学部, 助教授 (00127995)
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研究分担者 |
小田代 卓代 九州大学, 医学部, 医員
古森 公浩 九州大学, 医学部, 助手 (40225587)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1992年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1991年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1990年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 末梢動脈血行再建術 / 移植自家静脈 / 晩期閉塞 / Shear STress / PGI_2 / EDRF / 内皮細胞 / ノルエピネフリン / エンドセリン / セロトニン / Shear stress / 血行力学的条件 / プロスタサイクリン |
研究概要 |
自家静脈を用いた末梢動脈血行再建術後の晩期閉塞は末梢run-off不良例に多発し、その原因としては末梢run-off不良のいわゆる異常血流条件(低shear stress)における移植自家静脈内皮細胞の機能異常とこれに伴う壁平滑筋細胞の能動的増殖の結果形成される内膜肥厚性病変があげられる。本研究では低shear stressの血行力学的異常が下肢動脈及び移植自家静脈内皮細胞にどの様な影響を及ぼしているかについて検討を加えると共に、動脈環境下での自家静脈内皮細胞の特性についても検討した結果、以下の知見がえられた。1)低shear stress条件下では正常血流条件下に比べ大腿動脈および自家静脈内皮細胞よりのプロスタサイクリン(PGI_2)の産生が減少している。2)低shear stress条件下の大腿動脈内皮細胞ではacetylcholine(ACH)によるEDRF(Endothelium derived relaxing factor,内皮由来血管弛緩因子)の放出反応は保たれているものの、adenosine diphosphate(ADP)によるEDRFの放出反応の低下がみられる。3)大腿動脈に移植した自家静脈内皮細胞では移植後3日目よりすでにACHに対するEDRFの放出反応の低下がみられ、低shear stress条件下ではADPやThrobinを介するEDRF産生低下がみられる。4)正常静脈と比べ動脈環境下での自家静脈グラフトではノルエピネフリンやエンドセリンによる収縮反応には差はみられなかったが、正常静脈では弛緩反応を起こすセロトニンが自家静脈グラフトでは逆に著明な収縮反応をおこすことが明かとなった。これらの実験的事実より移植自家静脈の晩期閉塞の発症要因として、静脈環境下での移植自家静脈内皮細胞のEDRF放出反応の選択的障害と低shear stress条件下でのプロスタサイクリン産生の低下が考えられた。
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