研究概要 |
前回の成績をもとに、MNNG濃度は、80μg/mlで胃癌発生率が高かったこと、摘脾の時期も2ヶ月、4ヶ月で、発生率が高くなり、摘脾の時期も適切であることが判明した。 ただ、投与後28週の6月に屠殺した群では1例も胃癌が発生しておらず、平均44週を要したことは、長いと考え胃癌を発生しやすいとされるWBN KOBのウイスタ-系ラットに変更した。 また、今回の免疫能に関する検討では、4M摘脾群での摘出した脾臓のhelper/inducer T activityは、80μg/ml,35.0%100μg/ml28.6%120μg/ml35.0%,suppressor/cytotoxic T activityは各々、20.0%,22.4%,23.1%,2M摘脾群の摘出した脾臓のhelper/inducerは、100μg/mlで18.3%,120μg/mlで22.4%,suppressor/cytotoxic T activityはそれで21.8%,21.6%と,差は得られなかった。helper/suppressor比は、1以上とhelper優位の脾臓が摘出されたことは、胃癌の発生増殖に何らかの影響を持つことが免疫能の面からも示唆された。 今後3月より実験開始の予定であるが、WBN KOBラットを60匹使用しSham operation群、投与開始前に摘脾する群、投与開始後2ヶ月で摘脾する群、投与開始後4ヶ月で摘脾する群に各15匹ずつに分け、胃癌発生数、大きさ、病理学的組織所見、EGF receptor,脾臓及び末梢血のhelper,suppressor cellについて検討する予定である。
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