研究課題/領域番号 |
02670587
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
比企 能樹 北里大学, 医学部, 教授 (10050395)
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研究分担者 |
西元寺 克禮 北里大学, 医学部, 教授 (70050581)
塚本 秀人 北里大学, 医学部, 講師 (60146420)
嶋尾 仁 北里大学, 医学部, 講師 (00146408)
三重野 寛喜 北里大学, 医学部, 講師 (80118843)
榊原 譲 北里大学, 医学部, 助教授 (00050451)
蔵並 勝 北里大学, 医学部, 助手 (80170075)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1992年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1991年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 出血性潰瘍 / 破綻血管 / 胃潰瘍 / 基礎疾患 / 短期予後 / 長期予後 / 出血性死亡率 / 手術死亡率 / 高齢者の胃切除術 / 術後合併症 / 術後愁訴 / Performance status / レーザー治療 / ヒータープローブ / 永久止血 / 高齢者 / 高位潰瘍 / 左胃動脈領域 / 大量出血 / 合併基礎疾患 / 手術死亡 / 先端技術による治療 / 緊急内視鏡検査 / 顕出血例 / 最終出血 / 短期要後 / 緊急手術 / 止血成功 / ヒ-タ-プロ-ブ法 |
研究概要 |
出血性潰瘍の病態について:1263例の上部消化管出血の病態について調べた。出血源の分析を行った結果、消化性潰瘍によるものが全体の56.4%を占め、欧米と比べて胃潰瘍からの出血例の多いことが本邦の特色といえる。高齢者になるに従って、出血源は胃体部の高位に発生する傾向が強かった。 破綻血管の性状について、microangiogramによる分析を行った結果、しばしば漿膜下の太い血管が筋層を貫通して斜めに立ち上がり、潰瘍府に向かうことが分かった。 出血性潰瘍の治療:出血性潰瘍の治療として、従来は外科手術が第一選択とされた時代があるが、いまや出血性潰瘍は心疾患・高血圧・糖尿病・腎不全等、基礎疾患を合併している頻度が高いことから、特に内視鏡を用いた積極的保存療法が出現した。これが今回の我々のテーマである。そこで、我々は第一にレーザー止血法の検討を行った。この方法は、遠隔操作で止血できる利点があるが、装置が大掛かりで移動性に難点がある。その点、ヒータープローブは、同じ熱による止血法として効果の点でも、持ち運びが可能な点でも非常に優れた方法であることが分かった。89例の出血例に対して、94.4%の止血率であった。 外科手術療法と保存的療法との比較検討:それぞれの短期・長期予後について調べた。潰瘍が瘢痕化するまでの間の短期予後は、449例中の11.8%であった。うち、再治療で止血したものは62.8%で、緊急手術率は32.5%であった。一方、止血後6ヶ月以上に再出血を認めた長期予後は132例中の17.4%であり、緊急手術になったものはなかった。保存的治療群59例の出血死亡率は、11.8%であった。一方、外科手術群228例の手術死亡率は5.7%であった。待機手術例ではゼロであった。合併疾患をもった高齢者の成績を向上させることが今後の問題点である。
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