研究課題/領域番号 |
02670604
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
|
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
草川 實 三重大学, 医学部, 教授 (10046336)
|
研究分担者 |
水谷 哲夫 三重大学, 医学部, 助手 (20115736)
鹿野 和久 三重大学, 医学部, 助手 (60206068)
|
研究期間 (年度) |
1990 – 1991
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1991年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1990年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | 心筋虚血再潅流障害 / 血管内皮細胞傷害 / ス-パ-オキサイド / Endothelium drived relaxing factor / Endothelinー1 / 心筋内ATP / Stunned myocardium / Ca^<++> influx / 心筋内 ATP / 再潅流障害 / カルシウムイオン / stunned myocardium / ATP / 内皮細胞由来血管拡張因子(EDRF) |
研究概要 |
心筋虚血再潅流時にみられる可逆性心機能障害の発生機序については幾つかの成因が考えられている。本研究ではその成因を血管内皮細胞の機能障害と心筋細胞の高燐酸化合物レベルおよびカルシウムイオンの変動の面より検討を行った。 1.血管内皮細胞機能の指標としてEDRFおよびEndothelin1の産生能を用いた。ウシ大動脈の血管内皮細胞を培養し、これを潅流した液を張力ストレンゲ-ジにつるしたラット大動脈リング標本に滴下する回路を作成し、ブラヂキニン刺戟による血管内皮細胞よりのEDRF分泌能を検討した。(1)培養血管内皮細胞のみを20分間低酸素下におき再酸素化を行い虚血再潅流モデルとした。この群ではEDRF産生がみられた。(2)低酸素中PMAにて刺激戟した多核白血球を血管内皮細胞に作用させると再酸素化を行ってもBKによる弛緩反応は0〜43%、平均24.5%と減弱しEDRF産生能は著しく低下した。(3)白血球と共にSODを作用させるとEDRF産生能は著明に改善した。(4)潅流液中のETー1濃度は白血球添加群では20pg/mlと高値を示したがSODを添加した群では3.2pg/mlであった。以上より血管内皮細胞機能障害は虚血再潅流時に白血球が血管内皮に粘着し産生されるフリ-ラジカルにより惹起され、EDRFの産生能の傷害およびETー1の産生増加によりno reflow現象が起ることによるものと結論された。 2.心筋細胞についてはラット摘出心を用い、4℃6時間単純浸漬保存後再潅流を行った時高エネルギ-燐酸の推移( ^<31>PーMRSを用いて測定)心筋内カルシウム量と心機能の関係を検討した結果、心筋内βーATAは正常の70%まで回復を示すが心機能もほぼ60%の回復に止まっており細胞内高エネルギ-燐酸の低下がStunned myocardiumの一因と考えられたがカルシウム拮抗薬投与により心機能の改善がみられることにより、虚血再潅流障害にはCa influxも重要な因子であることが結論された。
|