研究課題/領域番号 |
02670619
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
会田 敏光 (會田 敏光) 北海道大学, 医学部附属病院, 講師 (60125276)
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研究分担者 |
澤村 豊 北海道大学, 医学部, 助手 (10235476)
徳田 耕一 北海道大学, 医学部, 助手 (00237067)
杉本 信志 北海道大学, 医学部, 助手 (60125325)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1990年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 脳腫瘍 / 抗癌剤 / 薬剤耐性 / ニトロソウレア剤 / ニトロソウレア系抗癌剤 / 抗癌剤耐性 |
研究概要 |
現在、悪性腫瘍において、ニトロソウレア剤が用いられることが多いが、臨床効果として未だ満足すべき結果が得られていない。この原因として、ニトロソウレア剤に対する耐性が主要な原因と考えられる。ニトロソウレア剤に対する耐性機構は特殊であり、O^6ーalkylguanineーDNAーalkyltransferase(O^6ーAT)によるO^6ーalkylguanineーDNA誘導体の修復、さらにDNA鎖間架橋形成の抑制が耐性機構において重要である。従ってメチル化合物によるO^6ーAT不活性化がニトロソウレア剤耐性克服の方法として考えられた。そこで、メチル化剤であるMTICを用いて、ニトロソウレア剤耐性ヒト脳腫瘍細胞におけるニトロソウレア剤殺細胞効果増強の可能性を検討するために実験を行った。その結果、ニトロソウレア剤耐性ヒト脳腫瘍細胞において、MTICはO^6ーAT活性を抑制した。更に、MTIC前投与により、SFー188細胞において、ニトロソウレア系抗癌剤ACNUの殺細胞効果を増強し、400μMのMTIC濃度によりACNU耐性を解除することが可能であった。更に、殺細胞効果と同様に、ACNU誘発姉妹染色分体交換(SCE)を増加させた。これはMTIC前投与により、ニトロソウレア剤耐性細胞におけるO^6ーATを消費し、DNA修復を阻害し、DNA鎖間架橋形成を抑制したために、ACNU殺細胞効果を増強したものと推論された。この実験結果に基づき、悪性グリオ-マに対するdecarbazine,ACNU,vincristine(DAV)併用療法のプロトコ-ルを作製し、第二相試験を行い、著明な副作用を認めず、有効率37.5%の結果を得ることができ、更に長期生存率についての検討を継続している。
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