研究概要 |
1.健康成人男性20名,平均27.7歳を対象とし,頚椎の50度斜行二方向同時X線撮影を行った。得られたX線フィルムより各椎体のlandmarkを読みとり,ディジタイザ-およびパ-ソナルコンピュ-タ-によりなる3次元解析装置を用い計測した。環椎のlandmark設定は,両側側魂を合わせたものを楕円形椎体とみなしその上下面の端点と横突起の左右を識別し,これらをlandmarkとした。 2.従来の撮影方法では頚椎を捻転すると,環椎が後頭骨,下顎骨,歯牙とかさなりlandmark読みとりが困難なため,躯幹を捻転させ基準フレ-ム内では左右捻転時においても頭部が一定方向をむくようにした。また頭部前側方よりの撮影には+3゚,後側方よりの撮影にはー3゚のX線入射角をつけることで環椎landmark読影を良好なものとした。 3.頚椎捻転にともなう上位頚椎の主たるcoupling motionはC_1ーC_2間では捻転と反対方向への11.1゚の側屈であり,後頭骨ーC_1では9.5゚の後屈であった。 4.頚椎捻転時,C_1C_2間において回旋の約80%(片側37.8゚)が行われており後頭骨ー_1間では4.1゚逆回旋していた。このような逆回旋は全対象者の75%にみられた。 5.C_1ーC_2間の回旋可動域が大きいほどC_2以下の下位頚椎の回旋可動域は小さく後頭骨ーC_1間の逆回旋も増す傾向にあった。 6.C_1ーC_2間の回旋運動中心は歯突起やや後方に位置していた。
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