研究課題/領域番号 |
02670679
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中尾 槙一 (中尾 慎一) 京都大学, 医学部, 助手 (10207714)
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研究分担者 |
森 健次郎 京都大学, 医学部, 教授 (20025620)
荒井 俊之 京都大学, 医学部, 講師 (80175950)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1991年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1990年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 細胞内カルシウム濃度 / 脳虚血 / カルシウム拮抗薬 / バルビツレ-ト / cーfos / NMDA受容体 / 痙攣 |
研究概要 |
1)脳神経終末を用いた実験により、虚血群ではコントロ-ル群に比べて、脱分極による細胞外よりの細胞内へのCa^<2+>流入が大きいことが示された。カルシウム拮抗薬(ジヒドロピリジン系)はこのCa^<2+>流入を抑制することが示された。バルビツレ-トはCa^<2+>流入を抑制せず、これ等の実験からは、バルビツレ-トの虚血時の脳保護作用はカルシウム流入抑制というよりは、脳代謝の抑制が主であることが示唆された。 2)吸入麻酔薬にはジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬様作用があることが証明され、脳保護に有効であることが示唆された。また、その作用はハロセン、イソフルレン、エンフルレンの順となり、麻酔薬の強さに関連があることが示唆された。 3)痙攣時は、需要に応じるだけの酸素供給がなさえないために(局所脳虚血)、局所の脳障害を残すことが示唆されている。細胞性癌遺伝子産物cーFosは転写制御因子であり、脳代謝のマッピングと良く一致し、さらには脳の可塑性、変性の良い指示になることがすでに報告されている。非麻酔性痙攣物質(カイニン酸、ペンチレンテトラゾ-ル、電気痙攣刺激)による痙攣では、強いcーFos発現が海馬(特に歯状回を中心に)、梨状皮質、扁桃等に見られたが、局所麻酔薬であるリドカイン誘発性の全身性痙攣では、海馬にcーFos発現は無く、梨状皮質、扁桃に散在性のcーFos発現が見られたのみであった。この発現は、NMDA拮抗薬のMKー801前処置で消失したことから、グルタミン酸受容体のサブタイプである、NMDA受容体の関与が示唆された。
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