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イヌの全脳虚血に対する高気圧酸素治療の効果

研究課題

研究課題/領域番号 02670680
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 麻酔学
研究機関岡山大学

研究代表者

八塚 秀彦  岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (00158015)

研究分担者 橋本 秀則  岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (10192270)
研究期間 (年度) 1990
研究課題ステータス 完了 (1990年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード脳虚血 / 高気圧酸素治療 / 脳波 / 頭蓋内圧 / 脳血流量 / 遊離脂肪酸 / 脂質過酸化物
研究概要

虚血性中枢神経障害に対する高気圧酸素治療(OHP)の効果をイヌを用いて検討した。
イヌを上行大動脈遮断により18分間の完全全脳虚血とし、虚血解除の60分後から2.5絶対気圧(ATA),170±20分間のOHPを行なった。
レ-ザ-ドップラ-法による脳組織血流量(CBF)は有意な変動を示さなかったが、光力テ-テル法による頭蓋内圧(ICP)は、OHP終了150分後に有意に減少した。また、細胞膜構成成分であるリン脂質の傷害を反映すると考えられる遊離脂肪酸(NEFA)は、矢状静脈血において、OHP終了150分後には、OHP前値に比して有意に減少した。さらに、生体膜傷害による脂質過酸化物生成の総合的な指標と考えられる過酸化脂質(TBARS)は、OHP終了後30分,90分,150分と,OHP前値に比して有意に減少した。脳神経細胞の活動状態の総合的な指標である脳波(EEG)は、統計学的処理は行なっていないものの、虚血後のOHPに記録しえた全例で棘波や鋭波などの出現は認められず、神経細胞が異常興奮を起こしている可能性は少ないものと考えられた。また、OHP治療群では振幅の増高傾向や紡錘波を主体とする速波成分の増加傾向が観察された。
以上の結果から、全脳虚血60分後のOHPは虚血後の回復過程で酸素を必要としている脳神経細胞群に酸化ストレスを与えることなく良好な酸素供給状態を形成し、神経細胞のエネルギ-代謝を改善することにより虚血後の中枢神経障害を軽減する有効な治療法となりうる可能性が明らかとなった。
今後さらに神経学的予後を指標として、全脳虚血に対する高気圧酸素治療の長期的効果を検討することが必要である。

報告書

(1件)
  • 1990 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 八塚 秀彦: "全脳虚血に対する高気圧酸素治療に関する研究" 麻酔. 40. 208-223 (1991)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書

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公開日: 1990-04-01   更新日: 2016-04-21  

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