研究課題/領域番号 |
02670693
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
渡辺 敏 北里大学, 医学部, 教授 (40050463)
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研究分担者 |
守屋 博子 北里大学, 医学部・麻酔科学, 助手 (60220092)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1990年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 麻酔事故 / 麻酔器 / モニタ機器 / 器械的因子 / 人間的因子 / 誤操作 / 誤認 |
研究概要 |
過去10年に発表された麻酔器及びその関連機器に起因する事故、トラブル等についての外国文献を200件集めることができた。 今回の調査で見られたもっとも多いトラブルは麻酔器の呼吸回路に発生したもので、呼吸弁の閉塞、回路接続部のもれ、脱落等の異常で24%に認められた。次いで多かったのは麻酔器本体の異常で、本体そのものの故障、気化器、流量計及び付属の人工呼吸器の異常等が18%に認められた。麻酔器に組み込まれたモニタ機器や安全装置に起因するトラブルは約20%に見られた。医療ガス、とくに酸素ガスの供給異常に関係するトラブルは13%に認められた。 今回の調査結果から、麻酔器及びその関連機器の事故又はトラブルの原因を検討してみると、とくに呼吸回路に起因したものが多いことがわかった。この中には接続部の誤接続、脱落、もれ等構造上今後検討しなければならない点があることが認められた。同じことは、麻酔器本体や麻酔器に組み込まれたモニタ機器にも言えることがわかった。ただ、麻酔器に起因する事故又はトラブルは、麻酔器及びその関連機器を正しく操作すると同時に、患者及び麻酔器を十分に監視すれば防ぐことができることが多いが、今回の調査でもそのようなことが認められた。とくに呼吸回路の各部分、麻酔器の付属品、モニタ機器等については、相当数のトラブルが適正な操作、患者監視で防ぐことができたことがわかった。 麻酔器に起因する事故は患者に致命的な障害を与えることになるため、あらゆる手段で防がねばならない。そのためにはまず麻酔を担当する医師が麻酔器及びそれに関係する医療機器を正しく操作し、患者を自分の五感で絶えず監視する必要がある。それと同時に麻酔器及びそれに関係する医療機器の安全性・信頼性を今よりももっと向上するように設計、製造面で検討される必要があると思われる。
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