研究課題/領域番号 |
02670702
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 福井医科大学 |
研究代表者 |
岡田 謙一郎 福井医科大学, 医学部, 教授 (60026838)
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研究分担者 |
三輪 吉司 福井医科大学, 医学部, 助手 (10209968)
河原 優 福井医科大学, 医学部, 助手 (20186878)
秋野 裕信 福井医科大学, 医学部, 助手 (90159335)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1992年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1991年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1990年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 前立腺癌 / 核DNA量解析 / レクチン / PNA / UEA-1 / 癌体積 / アンドロゲンレセプター / レクチン染色 / アンドロゲンレセプタ- / 前立腺肥大症 |
研究概要 |
前立腺癌のレクチン組織化学による検討をすすめるためにヌードマウスでの前立腺癌転移モデルの作製を試みた。前立腺癌細胞株PC-93の尾動脈注射、前立腺への直接注射を行ない8〜12週で転移の有無について検討したが(各群10匹)、肉眼的な転移病巣は認められなかった。 臨床から得られた前立腺癌におけるレクチン組織化学について特に偶発癌を中心にしてさらに検討した。検討したレクチンはPNAとUEA-1で、DNAヒストグラムパターンおよび癌占有体積とレクチン染色性の関連性について検討したが、その結果1)前立腺偶発癌のDNA-histogramとレクチン染色性の関連性は認められなかった、2)偶発癌の高分化癌でのPNA結合部位は管腔側のapicalと核上部であるが、diploidでは管腔側のapicalのみに陽性所見を認めた症例が多く、nondiploidでは核上部に陽性所見を全例で認めた、3)レクチン染色性と偶発癌の癌占有体積との間にUEA-1染色で有意の正の相関を認めたが、PNA染色では有意な関連性は認められなかった。 以上の結果から、前立腺癌のレクチン染色性は前立腺肥大症と異なり糖鎖の発現に両者間で相違を認め、特にPNA結合糖鎖はアンドロゲン作用との関連性が指摘されていることから今後アンドロゲン、アンドロゲンレセプターとPNA結合連鎖の発現に関する検討を行なうことにより前立腺癌の発症と進展に関する重要な知見を得られると考えた。またDNAヒストグラムパターンとレクチン染色性の関連性の検討は過去に報告がなく、本研究で得られた結果は前立腺癌における糖鎖の細胞表現と癌のmalignant potentialとの関連を示したもので有意義であり、今後の前立腺癌研究における一つの布石となるものと思われた。
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