研究課題/領域番号 |
02670709
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
島袋 智之 (1992) 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (60226222)
山本 憲男 (1990-1991) 山口大学, 医学部, 助教授 (10034985)
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研究分担者 |
内藤 克輔 山口大学, 医学部, 教授 (60115251)
村上 知之 山口大学, 医学部, 講師 (20200272)
松山 豪泰 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (70209667)
島袋 智之 山口大学, 医学部・附属病院, 助手 (60226222)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1992年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1991年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | In vitro BrdU標識法 / 制癌剤感受性試験 / PCNA / Ki67 / AgNOR / フローサイトメトリー / 細胞増殖動態 / 腫瘍内pt濃度 / 抗BrDU抗体 / 抗PCNA抗体 / In vitro BrDU標識 / 細胞動態 |
研究概要 |
癌の化学療法を行なう際に、腫瘍細胞そのものに対する感受性を予知することは、有効にして副作用の少ない薬剤を選択するために最も重要なことのひとつである。この観点から、BrdU、PCNA、Ki67等を用い、制癌剤投与前後での腫瘍細胞の増殖能の変化を解析し、定量化することにより、新しい感受性試験として応用しようと試み、以下の結果を得た。 1.In vitro BrdU標識法を用いた研究 固形腫瘍化したマウス膀胱腫瘍(MBT-2)を1mm角に細切し、各種制癌剤(ADM,CDDP,VCR)を含有したvial中で2時間または4時間接触させたあと、BrdUを取り込ませて標識し、その標識率(LI)を算出した。各薬剤接触群のLIと非接触群のLIの比率から、%control値のdose-response curveを作成し、colony assayの結果比較検討した。Control群のLIは腫瘍摘出後4時間以内で約20%と一定であった。薬剤によるBrdU取り込み抑制はADMで濃度依存性、CDDPで濃度および時間依存性であったが、colony assay法に比べ高濃度の薬剤接触が必要であった。VCRではLIの変化が乏しく感受性の評価が難しいと思われた。ADM、CDDPではcolony survival curveとdose-response curveが得られ、本法の感受性試験への応用の可能性が示唆された。 2.In vivo BrdU標識法を用いた研究 MBT-2固形腫瘍を皮下移植されたC3H担癌マウスを用い、その腹腔内にCDDPのLD10量、その1/2量、1/5量、1/10量を投与した。経時的に腫瘍サイズを測定することにより得られた抗腫瘍効果と、同時に腫瘍の一部を摘出して得られたBrdU標識率、PCNA陽性率の変化を対比させた。現在も実験中であるが、preliminaryな結果では、抗腫瘍増殖効果に対応して、標識率、陽性率とも変化し、その変化の大きさは腫瘍増殖抑制効果と相関しているのが認められている。 3.PCNA陽性率の動注化学療法前後の変化の研究 動注化学療法前後のPCNA陽性率の変化を測定し、治療効果判定の指標となり得るか否かの検討を、12例の膀胱癌症例を用いて行なった。その結果、PCNA陽性率は治療前の41.4±4.4%(mean±SE)に対し治療後は20.4±4.3%と有意に低下していた。12例中4例にて再発が認められ、この中2例では治療後のPCNA陽性率が逆に増加していた。この結果、PCNA陽性率は動注化学療法後の治療効果判定の新しい指標となり得る可能性が示唆された。
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