研究課題/領域番号 |
02670755
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
|
研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
辻 芳之 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (60148658)
|
研究分担者 |
山崎 則行 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (50174644)
小森 慎二 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (60195865)
|
研究期間 (年度) |
1990 – 1991
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1991年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1990年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | ムチン / 糖鎖物質 / モノクロナ-ル抗体 / 子宮内膜癌 / 糖鎖抗原 / 血液型物質 / 腫瘍マ-カ- |
研究概要 |
子宮内膜癌に発現されるムチン性糖鎖抗原を検討した。 各種の糖鎖構造を認識するモノクロ-ナル抗体を作成し正常子内膜と子宮内膜癌の間でどのような糖鎖抗原の発現の違いがあるかを検討した。その結果子宮内膜癌にはLewis血液型抗原に属するLewis a,b,x,yの各抗原とABO(H)血液型抗原のいずれもが発現していた。しかし子宮内膜癌は正常子宮内膜に比べてLewis y及びABO(H)のH抗原が最も特異的に増加していた。このことは子宮内膜癌では癌関連抗原としてこれらの糖鎖構造の共通の構造即ちGalβ1ー4GlcNAclー3Galβ1ー4GlcNAcの基本構造の進展とFucose残基がこの基本構造にFucα1ー2Gal及びFucα2ー3GlcNAcの様式で付加した構造が特異的に増加する事が解った。 そこでこのようなpolyfucosyllactsamine構造を認識する事が確認された抗子宮内膜癌モノクロ-ナル抗体C12を用いてimmunoaffinity columnを作成した。そして子宮内膜癌培養細胞株であるIshikawa株を大量に培養しその培養上清を集め硫安塩析後このimmunoaffinity columnに通し酸性抽出を行いムチン性糖鎖抗原物質を精製した。この子宮内膜癌由来のムチン性糖タンパク質は各子宮内膜癌患者の血清中にも研質で基腫瘍マ-カ-として臨床上の利用も可能であった。この糖蛋白の糖鎖はpolyfucosyl lactosamine構造を有しており分子量は約50万ダルトン以上の中性糖蛋白であった。この糖蛋白を部分トリプシン処理を行いpolyacrymide gel電気泳動で精製した後、さらに気相法によるEdmand分解によりアミノ酸シ-クエンスを決定し今までに報告されていないアミノ酸シ-クエンスを持っている事を確認した。 しかし、当研究期間中にこの子宮癌特異的ムチン性糖鎖抗原の全遺伝子構造を明かとする事は出来なかった。
|