研究課題/領域番号 |
02670758
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
原田 勇彦 東京大学, 医学部(病), 講師 (30010440)
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研究分担者 |
八木 昌人 東京大学, 医学部附属病院, 医員 (20230188)
山岨 達也 東京大学, 医学部(病), 助手 (30220362)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1991年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1990年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 滲出性中耳炎 / 感音難聴 / 聴器毒性 / 蝸牛窓膜 / エンドトキシン / リポポリサッカライド / リポタイコイック酸 / 内耳障害 / リポタイコイック膜 |
研究概要 |
最近、種々のタイプの中耳炎に伴っておきる感音難聴の発症原因が注目を集めている。中耳の貯留液中に時々みられるエンドトキシンは、中耳から蝸牛窓膜を透過して内耳に入り、そこで聴器毒性を発揮すると考えられる。本研究では、エンドトキシン類似物質(Staphylococcus aureusより抽出したリポタイコイック酸)を用いて、上記の仮説による感音難聴の発症機序についての実験的検討を行った。 A群では31匹のモルモットを用い、中耳骨胞を開放して蝸牛窓膜上に5mgのリポタイコイック酸を置いた。B群では12匹のモルモットを用い、リポタイコイック酸の溶解液(10mg/ml)の微量を蝸牛窓膜から鼓室階に直接注入した。モルモットは種々の間隔をおいて断頭し、側頭骨を採取して組織切片を作製し、光学顕微鏡下に蝸牛病変を観察した。 A群および対照群でははっきりした病変はみられなかったが、B群では12匹中の5匹で高度の蝸牛病変が観察された。病変は鼓室階、前庭階の線維化、血管条の萎縮、嚢胞様変性、ライスネル膜の嚢胞形成、ラセン器の萎縮、有毛細胞の消失、蓋膜の消失、内リンパ腔への炎症細胞浸潤などが種々組み合わさったものであった。 本実験の結果、中耳腔のエンドトキシン類似物質が蝸牛障害を起こすことを証明することはできなかったが、エンドトキシン類似物質が一旦内耳に入れば蝸牛病変を生じる可能性があることを示唆するものといえよう。
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