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癒着性中耳炎の病態と術後変貌の相互関係

研究課題

研究課題/領域番号 02670775
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 耳鼻咽喉科学
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

本多 芳男  東京慈恵会医科大学, 耳鼻咽喉科学, 教授 (40056479)

研究分担者 島田 士郎  東京慈恵会医科大学, 耳鼻咽喉科学, 助手 (00170944)
沖久 衛  東京慈恵会医科大学, 耳鼻咽喉科学, 助手 (50169215)
菊池 康隆  東京慈恵会医科大学, 耳鼻咽喉科学, 助手 (90195214)
今井 透  東京慈恵会医科大学, 耳鼻咽喉科学, 助手 (00130146)
梅澤 祐二  東京慈恵会医科大学, 耳鼻咽喉科学, 助教授 (90056945)
研究期間 (年度) 1990
研究課題ステータス 完了 (1990年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード癒着性中耳炎 / 耳管閉塞 / コレステリン肉芽腫 / 中耳ガス代謝 / 中耳術後変貌
研究概要

癒着性中耳炎モデル作製実験結果より次の結論を得た。耳管鼓室口の完全閉鎖のみでは癒着性中耳炎は作り得ない。中耳粘膜上皮のガス代謝の存在があるためと思われる、ガス代謝を消失さすための上皮剥脱、肉芽形成が必要となる。耳管の完全閉鎖では三種の病態が起こった。真珠腫、コレステリン肉芽腫、それと鼓膜肥厚と中耳腔の線維化であり、後二者の成因については今後追求すべきである。
鼓膜癒着の経過は、耳管機能障害・中耳腔内滲出液貯留と感染の出現・粘膜上皮の剥脱と肉芽発生・ガス代謝の抑制・鼓膜脱線維化かつ膠原線維の増殖による肥厚→癒着という経過をとる。その間肉芽形成にともなう耳小骨融解が起こる。内耳窓窩には直ちに癒着は起こらず、濃縮された貯留液、その組織化が起こって肉芽形成の増殖を促す。この減少は感音難聴を促す原因となる。癒着鼓膜の上皮下は慢性炎症像を呈し、皮膚上皮基底細胞の粗面小胞体は発達し細胞表面に多くのpinocytesの像が見られる。基底膜は連続性であるが、細胞浸潤の部位では消失し基底細胞は突起を伸ばし、何物か放出しているようである。
本症は幼児時代に発症し、病態は生涯続く。加齢と共に内耳窓よりの影響により感音灘聴が加わるので、壮年期に手術的に治癒させることが理想と言える。耳管鼓室口部分の開存がみられれば聴力改善は理論上可能である。聴力改善率の低い原因は術後の中耳、形成耳小骨ならびに鼓膜の変貌である。これらは耳管機能の低下、中耳粘膜の再生遷延、肉芽形成、中耳腔深度の不足、アブミ骨ないし、卵円窓の位置が中耳の辺縁に存在していること、等に基づく。これら不利な条件を除去するような手術の実施が望まれる。
今後臨床病態の深い追求と実験モデルの作製ならびに手術手技の開発が望まれる。

報告書

(1件)
  • 1990 実績報告書

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公開日: 1990-04-01   更新日: 2016-04-21  

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