研究課題/領域番号 |
02670831
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
足立 明 岡山大学, 歯学部, 教授 (30028500)
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研究分担者 |
船橋 誠 岡山大学, 歯学部, 助手 (80221555)
小橋 基 岡山大学, 歯学部, 助手 (80161967)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1990年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 最後野 / 化学受容性ニュ-ロン / グルコ-ス応答性ニュ-ロン |
研究概要 |
ラットの第IV脳室底を備品で購入したハ-バ-ド940シリンジポンプを用いてリンゲル液で表面灌流した。微小電極を用いて最後野中のニュ-ロンの電気活動を記録し、灌流液をグルコ-スを含む試験液に切り換えて、神経応答を記録した。その結果、グルコ-スに応答して放電頻度の増加するもの(グルコ-ス受容性ニュ-ロン)と、減少するもの(グルコ-ス感受性ニュ-ロン)と、2種類の異なったニュ-ロンが最後野中に存在した。両者はほぼ同数存在し、最後野中での部位的局在は認められず混在した。これらのニュ-ロンは同じ単糖類であるマンノ-スに対しては応答しないから、グルコ-スに特異的に応答することがわかった。 つぎに受容機構を解明するため、2DG、ウアバイン、およびフロリジンを、それぞれ含む試験液を調製し、グルコ-ス受容性ニュ-ロン、およびグルコ-ス感受性ニュ-ロンがこれら試験液に対してどのように応答するかを検討した。グルコ-ス受容性ニュ-ロンは神経細胞膜を通過しないフロリジンに対して応答するから、ニュ-ロン膜にグルコ-スを受容する部位が存在するものと思われる。一方、グルコ-ス感受性ニュ-ロンは、グルコ-スに対しては放電頻度の減少を生じるが、2DGに対しては放電頻度が逆に増加することから考えて、従来、外側視床下野で明らかにされているグルコ-ス感受性ニュ-ロンと同様、グルコ-スが細胞内にとりこまれ、グルコ-ス代謝の賦活によってATPが合成され、これがNaーKポンプの働きを促進する結果、膜電位が過分極に傾き、放電頻度の減少をきたすものと考えられる。 これら2種類のグルコ-ス応答性ニュ-ロンが血糖調節や摂食調節に対し、どのような役割分担をもつものかは将来早急に解決しなければならない問題である。
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