研究課題/領域番号 |
02670837
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
|
研究機関 | 奥羽大学 |
研究代表者 |
小玉 博明 奥羽大学, 歯学部, 助教授 (20118376)
|
研究期間 (年度) |
1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1990年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | 破骨細胞 / 分化 / 大理石骨病 / マクロファ-ジ / 間質細胞 / acrophage colonyーstimulating factor |
研究概要 |
最近、破骨細胞欠損によって大理石骨病を発症するマウス(op/op)がmacropphage colnyーstimulating factor(MーCSF)の遺伝子に突然変異を持っているという重要な発見が、熊本大学の西川教授のグル-プによってなされた。そこで、破骨細胞の分化過程を理解するために、破骨細胞分化とMーCSFの関係を明らかにすることが重要であると考えた。まず、遺伝子組み替え型のヒトのMーCSF(rhMーCSF)をop/opマウスに毎日14日間投与すると、破骨細胞が多数出現して骨吸収を行なって大理石骨病が完全に治癒し、歯の萌出も起こることを確認した。次に、新生仔op/opマウスの頭蓋冠から造血支持能を持つ間質細胞株OP6L7を樹立した。OP6L7細胞と正常マウスの骨髄細胞を共培養すると、マクロファ-ジがごくわずかしか出現しないが、rhMーCSFを添加すると大幅に増加した。破骨細胞については、OP6L7細胞と骨髄細胞が接触できる条件で共培養し、rhMーCSFと活性型ビタミンD_3を添加した時にのみ破骨細胞形成が観察された。この結果は、破骨細胞分化に間質細胞との接触とMーCSFの両方が必要であることを示す。また、破骨胞がMーCSFレセプタ-を発現していることから、MーCSFが破骨細胞の前駆細に直接作用することが強く示唆された。さらに、1個の破骨細胞の前駆細胞をOP6L7細胞と共培養しても破骨細胞分化が見られることから、間質細胞以外の細胞が不必要であることも確認された。この実験で、1個の前駆細胞から破骨細胞とマクロファ-ジの両方に分化する場合が多く、このこととMーCSFがこれらの細胞の分化に特異的に作用することから、破骨細胞とマクロファ-ジとの系統的な近緑関係がさらに確認された。現在op/opマウスへのrhMーCSF投与の実験を続けているが、rhMーCSFを1回投与しただけでもかなりの数の破骨細胞が出現して骨吸収を続けることから、破骨細胞の機能発現にMーCSFは不必要であることが明らかになった。
|