研究課題/領域番号 |
02670853
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小川 哲次 広島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (50112206)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 付着上皮 / 長い再生付着上皮 / 上皮の下方移動 / 上皮の歯冠側移動 / 上皮性付着 / 結合組織性付着 |
研究概要 |
実験的歯周炎成立に伴う付着上皮の根尖側移動と歯周外科治療後の歯根面に生じる長い付着上皮の歯冠側移動の機序について検討した。 1.付着上皮の根尖側移動について 1歳のビ-グル犬9頭の切歯部を用い、歯肉構内への綿糸結紮後12ヵ月までについて光・電顕にて観察した。その結果、歯肉溝の深化は、付着上皮の最表層より2〜3層基底側内に亀裂が生じることによりもたらされることが明らかとなった。さらに、付着上皮細胞の下方増殖については、まず付着上皮下根表面のコラ-ゲン線維がマクロファ-ジや線維芽細胞によって直接貧食され、その歯根面へ基底側の細胞が付着し、上皮付着構造を形成することが明らかとなった。また、上皮の下方移動に伴って露出した歯根面には、基底板などの付着構造の遺残物質が残存しており、それらに多数のプラ-ク細菌が付着しているなど、上皮の下方移動における構造的変化の様相が明らかとなった。 2.長い再生付着上皮の歯冠側移動について 実験には、1〜2歳のビ-グル犬4頭の小臼歯を用い、フラップ手術時に歯槽骨削除により裸出させた象牙質面への歯周組織の再生過程を観察した。その結果、骨表面をメンブレンで被うことにより治癒を障害させた場合では、術後の歯根面に形成された長い再生付着上皮の歯冠側移動はほとんどみられなかった。一方、メンブレンを用いない場合では、歯根面に形成された長い再生付着上皮の根尖側部が歯冠側に移動しており、それにともなって新生セメント質が歯冠側に伸展していた。これらの結果から、長い再生付着上皮は、術後の一時的な治癒形態であることや再生付着上皮の歯冠側移動が結合組織の修復機転によってもたらされることが明らかとなった。
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