研究概要 |
Bacteroides gingivalis(ATCC33277)はGAMブイヨン培地(日水)(ヘミン5μg/ml、ビタミンK10μg/ml)で最も良好に繁殖した。コラゲナーゼ活性は37℃,4ー5日間嫌気培養後に集菌し、0,1MTris-HC1緩衝液pH7,4+5mM Ca Cl_2に溶解した膜分画で最も高い酵素活性を示した。通法にしたがってB.gingivalis DNAを分離した。得られたB.gingivalis 全ゲノムDNAをSau3AIで部分的に切断し、5-10Kbの分画をクローニングベクターPuc18BAP-BamH1サイトに組み込んだ。この組み換えプラスミドを用いてE.coli JM103株を形質転換し、発現ライブラリーを構築した。B.gingivalis コラゲナーゼ遺伝子を保有する形質転換株をコラゲナーゼ活性およびコラーゲンの変性物質であるゼラチンの分解酵素ゼラチナーゼ活性を指標にスクリーニングを行った、酵素活性を利用したスクリーニングは不可能であった。さらにプラスミド-クローニングベクターやE.coli株を変更したが同様の結果であった。ついでコラゲナーゼ抗体による方法を検討する目的でB.gingivalisコラゲナーゼの精製を試みた。菌体を超音波破砕し遠心分離して得られた上清画分を粗標品とし硫安塩析。SephacrylS-300HRによるゲル濾過、Geratin-Sepharose4Bカラムによるアフィニティークロマトグラフィー、限界濾過により精製操作を行ったが、コラゲナーゼの精製の指標としている活性値が精製操作が進にしたがい低下し、限界濾過による濃縮時点では濾過前試料、濃縮試料ならびに通過試料との間の酵素活性に有意の差が認められなかった。B.gingivalisコラゲナーゼが膜結合型酵素であるため。細胞模からはずれたコラゲナーゼはその酵素活性が非常に不安定である可能性が示唆された。
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