研究分担者 |
村田 比呂司 広島大学, 歯学部, 助手 (40229993)
貞森 紳丞 広島大学, 歯学部附属病院, 講師 (40187167)
浜田 泰三 広島大学, 歯学部, 教授 (50034244)
徳山 宏司 広島大学, 歯学部, 助手 (50188744)
玉本 光弘 広島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (00136110)
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研究概要 |
多くの暫間軟質義歯裏装材(ティッシュコンディショナー)が開発され,市販されている。しかし,臨床に使用する段階において,組織調整,動的印象および暫間裏装には,どのような製品をもちればよいか明確ではない。使用にあたって,目的別に材料学的性質は異なるはずである。 粘弾性的な性質からまとめると,粘膜調整には床下粘膜の変形回復による持続的な弱い力に対して,流動し,その作用が長期間,持続することが必要である。そのため,粉末ポリマーの分子量を小さく(約10万)し,EtOH含有量を少なくすることが必要である。動的印象には初期には流動性が高く,機能時に負荷がかかっている状態の形態を再現し,その後には急激に流動性が減少し,印象を取りだし,模型を製作するのに変形しないことが必要である。そのため,粉末ポリマー分子量を中位(約20万)とし,EtOH含有量を多くすることによって,経時的な変化を大きくすることである。暫間裏装には一旦,義歯に裏装され口腔粘膜に適合した後には流動性が低く,咬合交径など変化しないことが望まれ,変形せず,咀嚼力などの外力を吸収するに十分弾性が高いことが必要である。そのため,粉末ポリマー分子量を大きく(30万以上)し,またEtOH含有量を少なくすることが必要である。 動的印象は,義歯に裏装した際には均一な負担圧分布が必要とされ,また模型を製作するという観点から,優れた寸法精度を有していることが必要である。そのためには,粉末ポリマーの分子量は上記と同様の条件において,EtOH含有量を可及的に少なくすることが必要となるが,経時的な粘弾性変化を大きくするために分子量の大きい,また粘度の高い可塑剤を用いる必要がある。
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