研究概要 |
1.架橋性モノマ-をエタノ-ル水溶液中で常温重合させる新しい粒子作製法を考案し,その反応機序を明らかにした. 2.新しい粒子作製法によって得られた直径0.5μmの球状架橋ポリマ-とシリカの球状微粒子(MF)とをフィラ-とした加熱重合型レジンを試作し,硬化物の耐摩耗性を測定した. 3.新しい粒子作製法で架橋性モノマ-とMFからなる多核マイクロカプセル型球状粒子を作製し,これをフィラ-とした常温重合型コンポジットレジンを試作して硬化物の機械的性質を測定した. 4.試作した多核マイクロカプセル型粒子,不定形シリカ粉および球状シリカ粉をフィラ-とする試作コンポジットレジン硬化時の収縮応力を,前年度に準備した収縮応力測定装置によって測定中である. 5.試作条件と収縮応力との関係は以下のようである. (1)フィラ-粒子の形態は,球状より不定形の方が収縮応力が大きくなる. (2)フィラ-の充填率は,不定形より球状の方が高くすることができ,充填率が高いと収縮応力が大きくなる. (3)フィラ-粒子の大きさは,大きい方が充填率を高くすることができ,収縮応力が小さくなる. (4)硬化時間が長いと,収縮応力が小さくなる. 6.以上の傾向が測定され,現在総合的な情報を検討中である.
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