研究分担者 |
足立 正徳 朝日大学, 歯学部, 助手 (60076057)
亀水 秀男 朝日大学, 歯学部, 助手 (00152877)
若松 宣一 朝日大学, 歯学部, 助手 (00158594)
土井 豊 朝日大学, 歯学部, 助教授 (40116067)
森脇 豊 朝日大学, 歯学部, 教授 (90028738)
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研究概要 |
金属焼付用陶材の寿命と生存確立および安全行動応力を予測し,疲労破壊のメカニズムを探るために,37℃の蒸留水中での動疲労試験と,Arガス(乾燥雰囲気)中での4点曲が強さおよびSEPB法による臨界応力拡大係数の測定を行った。また,破壊エネルギ-の算出に必要な弾性定数を直方体共振法で測定し,走査電子顕微鏡による破断面の観察を行った。その結果次のような結論を得た。 1)動疲労試験から疲労パラメ-タは35.3±0.8と求められ,この結果からSPか線図(StrengthーProbabilityーTime diagram)を描くと,水中においては例えば,20年間の寿命と99.9%の生存確率を保証する安全作動応力は約21MPaとなる。 2)Arガス中での4点曲げ強さの平均値は蒸留水中よりも約23%増加していた。ワイブルプロットによるとArガス中の方がワイブル係数は小さく,強度のばらつきが大きいことを示していた。また,臨界応力拡大係数を使って,蒸留水中とArガス中での破壊直前のクラックの長さの比を求めると,1.3〜2.1という値を得た。すなわち,蒸留水中では試験中にクラック成長を起こしていることを示している。 3)ヤング率と臨界応力拡大係数とから6600erg/cm^2という破壊エネルギ-が得られた。これは破壊に対する抵抗の尺度であるが,アルミナと比較すると1/9,窒素ガス中で測定されたソ-ダ石灰ガラスと比較しても小さい。ここでの値は臨界応力拡大係数を使って求めてあるので限界破壊エネルギ-と考えられるため,水が豊富に存在する環境下ではかなり小さくなると考えられる。 4)破断面に金属の疲労に特有な縞模様が確察された。これは興味ある知見であり,陶材の疲労破壊を金属と同様な観点から研究できる可能性がある。
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