研究課題/領域番号 |
02670958
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
正木 幸雄 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (20082977)
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研究分担者 |
伊藤 彰近 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (10203126)
小田 博久 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (30106439)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1991年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1990年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 酒石酸 / Dーマンニト-ル / (+)ーアスペルリン / 酒石酸イミド / C_2対称不斉ピロリジン / 全合成 / 不斉配位子 / C_2対称不斉素子 / 光学活性天然物の合成 / C_2対称不斉イミド |
研究概要 |
近年、C_2対称性を活用する不斉化合物の合成法は多大な注目を集めている。本研究では、入手容易なC_2対称不斉合成原料として酒石酸(1)及びDーマンニト-ル(2)を利用する生物活性天然物の合成と、不斉合成試薬の開発を行なった。また、複雑な構造を有する化合物の合成における基本反応の一つであるオレフィンの新しいエポキシ化剤の開発も行なった。その中で、(ー)ー酒石酸(1)を不斉源とする抗腫瘍活性な抗生物質(+)ーアスペルリン(4)の全合成に成功した。本合成法は6,8ーdioxabicyclo[3.2.1]octane誘導体(3)を経由する方法で、合成反応の位置及び立体選択性の制御が容易であり、光学活性な6位置換5ーhydroxyー5,6ーdihydroー2ーpyrone 類の一般的合成法となると考えている。(+)ー酒石酸(1)を利用する不斉合成試薬の開発として、(+)ー(1)から3段階、高収率で酒石酸イミド(5)を合成し、Nーブロム化を行いNーブロム酒石酸イミド(6)を合成した。この(6)を用いるスチレンのブロムヒドリン化反応を試みたが、反応は進行するものの、不斉導入は殆ど観察されなかった。今後、水酸基の保護基、ハロゲンの検討及びオレフィン基質の工夫が必要と考える。Dーマンニトール(2)を2段階で閉環しC_2対称な不斉ピロリジン(7)を合成し、(7)の変換を利用する各種のC_2対称な不斉ピロリジン類(8)及びそのD_2対称体(9)の短段階で実用的な合成法を確立し、それらを不斉配位子としてベンズアルデヒドとジエチル亜鉛の付加反応を検討し、最高82%eeの不斉収率を得た。反応における不斉導入効率にピロリジンの2,5位の置換基の自由度が大きく影響し、従って3,4位の置換基の不斉収率及びエナンチオ選択性に対する寄与の調査に今後の興味が持たれる。 不斉化合物合成法の開発のなかで、ethyl cyanoformateと30%H_2O_2の組合せ酸化系を用いるオレフィンの新規なエポキシ化法を確立した。本法は酸に不安定な基質に極めて有効な方法であり、今後、種々の官能基を有するオレフィン類のエポキシ化に有用と考える。
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