研究課題/領域番号 |
02670977
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
橋田 充 京都大学, 薬学部, 助教授 (20135594)
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研究分担者 |
高倉 喜信 京都大学, 薬学部, 助手 (30171432)
山本 昌 京都大学, 薬学部, 助手 (00166779)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1991年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1990年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 経皮吸収 / 皮膚モデル / 拡散理論 / 高速ラプラス逆変換 / 吸収促進剤 / 皮膚透過 / 脂溶性 / in vitro拡散実験 |
研究概要 |
本研究は、薬物の皮膚透過現象を拡散理論に基づき統一的に解析することを目的としたもので、経皮吸収のモデル解析法の開発と、これを用いた各種吸収促進剤の作用機構解析の二点に分けて検討を行った。前者に関しては、皮膚を(1)脂質ル-トと水孔ル-トを並列に仮定した角質層と(2)生きた表皮および真皮層の2層から成ると考え、さらに血流による運び去り過程を組み込んで皮膚拡散モデルを完成させた。次いで、モデルに基づいて、薬物累積透過量、皮膚内量、基剤中残存量など薬物の皮膚透過挙動を表す解析式をFickの第2式を用いてラプラス次元で誘導し、高速ラプラス逆変換アルゴリズムFILTと結合させることにより、in vitroおよびin vivo実験の結果に対する解析法を確立した。吸収促進剤の機構解析に関しては、モルモット摘出皮膚を用いたin vitro拡散実験を行い脂溶性の異なる各種薬物に対する吸収促進剤1ーgeranylazacyーcloheptanー2ーoneの効果を検討した結果、本促進剤が角質層中の脂質ル-トに作用しこの部分の溶媒としての性質をより親水的なものに変えることにより、薬物の皮膚透過を大きく変化させることを証明した。さらに、dーlimonenおよびoleic acidの作用についても検討を行い、これらが皮膚構造を乱し薬物の拡散性を上昇させることにより吸収促進効果を発現することを見いだした。またこれらの検討を通じて、角質層や生きた表皮/真皮層の厚さあるいは脂質ル-トと水孔ル-トの面積比など、皮膚の生理学的特性に関するパラメ-タを得、これらを用いてin vitro実験の結果とin vivo実験の結果を直接結び付ける方法論を確立した。これらの研究成果は、経皮吸収現象の統一的理解と外用製剤に対する設計指針の確立に寄与するものと思われる。
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