研究課題/領域番号 |
02670981
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
際田 弘志 徳島大学, 薬学部, 教授 (50120184)
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研究分担者 |
杉山 雄一 東京大学, 薬学部, 教授 (80090471)
原島 秀吉 徳島大学, 薬学部, 助教授 (00183567)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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研究課題ステータス |
完了 (1992年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1992年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1991年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1990年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 薬物送達システム / リポソーム / マクロファージ / ライソゾーム / オプソニン / 補体レセプター / 薬物速度論 / リポソ-ム / 細胞内運命 / DDS / クリアランス / 補体 |
研究概要 |
リポソームの薬物担体としての可能性はこれまでに種々の角度から検討され、特に肝臓での取込過程に関する研究は数多い。しかしながら、細胞内での挙動に関してはライソゾームに移行し、崩壊されるという"常識"のもとに、研究はほとんど行なわれていない。さらに、ライソゾームへの移行を回避するなど、細胞内移行性をコントロールする試みは皆無に等しい。リポソームに高分子化合物を内封して標的部位に送達してその薬理効果を期待する時、第一に、リポソームを細胞に選択的にターゲッティングするにはどのようなリポソームを用いるべきか、第二に、細胞内に取込まれた後、ライソゾームへの取込を回避する必要のある化合物とその必要のない化合物でのリポソームをどのように選択すべきか、という課題に答える必要がある。本研究はこれらの課題に答えるための細胞内分布過程までを考慮したリポソームによる肝臓への薬物送達システムの開発を目的とした。 細胞内の過程を解析する前に、まず、取込過程に関して、リポソームの粒子径、投与量、表面修飾の効果等について検討した。肝還流系で、リポソームの粒子径に依存してオプソナイズされることが明らかとなった。投与量に関しては、リポソームの肝臓の取込過程にみられる飽和性は従来のミカエリスメンテンの速度過程には従わず、取込量に依存して取込クリアランスが減少することを見いだした。表面修飾の効果については、マンノース修飾リポソームはマンノースレセプターを介してではなく、補体レセプターを介して取込まれることが明らかとなった。次に、ライソゾームでのリポソームの分解過程を定量的に評価する方法を開発した。リポソームの細胞内分解のマーカーは ^<125>I-アルブミンを用いた。この方法により、細胞系では腹腔マクロファージ、全身系では肝臓と脾臓におけるリポソームの分解過程を測定することができた。これらのタイムコースをさらに速度論解析することにより、分解過程の定量化にも成功した。今後、リポソームの取込過程と細胞内運命の間にどのような関係があるかを解明し、有効な細胞内ターゲッティングシステムの開発を行なっていく予定である。
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