研究課題/領域番号 |
02670990
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
豊島 聰 東京大学, 薬学部, 助教授 (40092283)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1991年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1990年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ホスホリパ-ゼC / ボツリヌスADPーリボシルトラスフェラ-ゼ / リンパ球活性化 / T細胞抗原受容体 / MRL / lprマスス / 低分子量GTP結合蛋白質 / ボツリヌスADPーリボシルトランスフェラ-ゼ / lprマウス / イノシト-ルリン脂質 |
研究概要 |
牛胸腺細胞でその存在を見出したイノシト-ルリン脂質特異的ホスホリパ-ゼC(PLC)活性増強効果を有する低分子量GTP結合蛋白質(以下これをG21Kと呼ぶ)の生理的役割の解析を進め以下の成果を得た。 1.G21Kはボツリヌス菌由来ADPーリボシルトランスフェラ-ゼによりADPーリボシル化をうけることを発見し、G21Kを同定するために応用することができた。 2.G21Kはウシ胸腺細胞のみでなくマウス胸腺細胞にも存在することを見出した。 3.マウス胸腺細胞膜画分のPLC活性は、ボツリヌスADPーリボシルトランスフェラ-ゼ処理することにより増強され、PLC活性制御にボツリヌス酵素基質となる低分子量GTP結合蛋白質が関与することが示唆された。このことは、マウス胸腺細胞内へボツリヌス酵素を導入するとイノシト-ルミリン酸産生が上昇することからも支持された。 4.マウスT細胞のCD3抗原のε鎖に対するモノクロ-ナル抗体を用いて調べたところ、T細胞抗原受容体(TCR)/CD3抗原複合体に結合したG21Kの存在することが判明した。この結果は、TCR/CD3を介したT細胞の活性化にG21Kが関与していることを示唆するものである。 5.自己免疫疾患モデルマウス(MRL/lpr)T細胞では対照マウス(MRL/+)T細胞よりもConA受容体と関連した低分子量G蛋白質(G21Kであることを示唆する結果が得られている)が少ないことを発見した。MRL/1prT細胞はConA反応性が低くイノシト-ルリン脂質代謝亢進もほとんどみられないが、ConA受容体、G蛋白質とPLCの連関は正常であり受容体とG蛋白質の連関に異常があることが推定されていることを考えあわせると、この結果は、G21Kの減少がMRL/lprT細胞におけるConA反応性の低さ(イノシト-ルリン脂質代紹亢進異常)の原因であることを推測させる。
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