研究課題/領域番号 |
02670994
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松田 敏夫 大阪大学, 薬学部, 助手 (00107103)
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研究分担者 |
岩田 平太郎 大阪大学, 薬学部, 教授 (30028823)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1990年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | Na^+,K^+ーATPase / Ca^<2+> / ベラトリン / モネンシン / Na^+ーCa^<2+>交換系 / 虚血 / 低酸素 / 脳切片 |
研究概要 |
(1)脳切片への外液Ca^<2+>の取り込みはベラトリン、モネンシンの添加で促進された。この促進作用の用量反応曲線は、これら薬物による(Na^++K^+)ーATPase活性低下作用のそれと一致していた。ベラトリン、モネンシンのCa^<2+>取り込みに対する作用、(Na^++K^+)ーATPase活性に対する作用は、いずれもNa^+ーCa^<2+>交換系阻害薬により抑制されたが、電位依存性Ca^<2+>チャンネル阻害薬の影響を受けなかった。従って、長期ベラトリン刺激による本酵素活性の低下には、Na^+ーCa^<2+>交換系を介したCa^<2+>の流入が関与していることが考えられた。また、ベラトリン刺激による脳切片(Na^++K^+)ーATPase活性の低下は、カルモジュリン阻害薬、カルパイン阻害薬、Cーキナ-ゼ阻害薬等の影響を受けなかった。 (2)脳切片をNa^+イオノフォアで処置すると(Na^++K^+)ーATPase活性の低下が認められた。種々の阻害薬を用いた実験でNa^+イオノフォアの作用にNa^+ーCa^<2+>交換系を介してたCa^<2+>の流入が関与していることが示された。エネルギ-代謝阻害薬を用い細胞内ATP濃度を変低下させた場合、脳切片の(Na^++K^+)ーATPaseは著明な活性低下を示した。細胞内Ca^<2+>のキレ-タ-を用いた実験で細胞内ATP低下による脳切片(Na^++K^+)ーATPase活性低下作用にもCa^<2+>が関与していることが示された。腎臓切片、グリアの培養細胞(補助金で購入した備品を使用)の場合、Na^+イオノフォアや代謝阻害薬で処置しても本酵素活性は変化しなかった。K^+イオノフォア処置では脳、腎臓両酵素とも顕著な活性変化を示さなかった。 (3)脳切片(Na^++K^+)ーATPaseは栄養液中のグルコ-スおよび酸素欠乏により活性低下を示したが、腎臓切片の本酵素は活性変化を示さなかった。これらの条件下での本酵素活性低下には、いずれも細胞内Ca^<2+>の動員が関係していた。
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