研究課題/領域番号 |
02670998
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
武藤 徳男 岡山大学, 薬学部, 助手 (30112642)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1991年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1990年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | シチジレートシクラーゼ / サイクリックCMP / G蛋白 / アンドロゲン / シチジレ-トシクラ-ゼ / GTP結合蛋白質 / 神経突起形成 / サイクリックCMP生合成酵素 |
研究概要 |
ラット脳シチジレートシクラーゼの活性発現にグアニンヌクレオチド結合蛋白質(G蛋白)が共役することを初めて明らかにした。これは本酵素活性がG蛋白の特異的活性化剤であるA1F_4-やGTPγSの前処理で顕著に上昇することやGTPγSによる活性化がG蛋白不活化剤であるGDPBSで抑制されることから確認された。さらにこの酵素活性は、G蛋白の特異的ADPリボシル化酵素として作用既知の2種の細菌毒素処理で影響を受けないことより、本酵素系に関与するG蛋白はアデニレートシクラーゼ系に共役するGi、Gsとは別種のものであった。シチジレートシクラーゼのラット脳粗膜画分からの精製は、GTPγS処理による活性化、CHAPSによる効率的可溶化、カラムクロマトグラフィー(ゲルろ過、DEAEセルロース)操作で行ない、この不安定な酵素を初めて約40倍の比活性にまで部分精製した。得られた酵素蛋白は末だ純化されていないが、分子量数十万の高分子として挙動する凝集体であった。その生化学的性質の解明はまだ残されているが、本酵素の精製についてはこれまで一切報告がない現在、今回の部分精製は今後の完全精製に向けて生かされるものである。これまでシチジレートシクラーゼの生理的アゴニストは全く不明であったが、その有力な内在性物質として初めてアンドロゲンを見いだした。このホルモンはシチジレートシクラーゼの触媒ユニットに直接作用し活性化するものと孝えられ、脳内における本酵素およびその生成物であるcCMPの生理作用を解明する上で重要な知見と考えられる。ストレス時における本酵素活性の顕著な変化についての予試験的な結果も得ており、本酵素系の脳機能に果たす重要な役割の解明に向けての指針となるものである。
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