研究課題/領域番号 |
02671023
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 静岡県立大学 (1991) 摂南大学 (1990) |
研究代表者 |
奥 直人 静岡県立大学, 薬学部, 助教授 (10167322)
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研究分担者 |
芝本 さゆみ 摂南大学, 薬学部, 研究員 (80178920)
早川 磨紀男 摂南大学, 薬学部, 助手 (30198824)
堀 隆光 摂南大学, 薬学部, 講師 (00199522)
伊藤 文昭 摂南大学, 薬学部, 教授 (80111764)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1991年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1990年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 腫瘍壊死因子 / TNF / 細胞傷害 / 細胞増殖 / プロスタグランジン / Gタンパク質 / 情報伝達機構 |
研究概要 |
腫瘍壊死因子(TNF)は培養腫瘍細胞に対する傷害活性と、正常繊維芽細胞に対する増殖促進活性を併せ持つ。我々は、TNFがヒト正常繊維芽細胞FSー4の増殖を促進する際にも、ネガティブ調節機構として増殖抑制的に働くプロスタグランジン(PG)を生成していること、PGを過剰生産させることにより、正常細胞もTNFによって傷害を受けることを見いだした。そこでTNF刺激により産生されるPGを検討した結果、FSー4における主要なPGがPGE_2であり、その産生がTNF刺激によって増大すること、インドメタシンで促進されたFSー4の増殖は外から加えたPGE_2により抑制されることを見いだした。先にTNF刺激によりPG産生が起こる過程で、ホスホリパ-ゼA_2が活性化されることを見いだしている。そこでTNF刺激の初期段階を検討する目的で、ヒト胎盤よりのTNF受容体の精製と性状解析を試みた。TNFアフィニティ-クロマトグラフィ-で精製して得られた受容体は、300kDaの分子集合体であり、Gタンパク質を含むことが明らかとなった。すなわちTNFの情報伝達に関しては、Gタンパク質を介したホスホリパ-ゼの活性化、アラキドン酸の遊離、PGの生合成に至る過程が示唆された。次にTNF感受性細胞と耐性細胞を用いたTNF細胞傷害活性におけるPGの関与について検討した。TNFによる細胞傷害に感受性のマウスL929細胞では主にPGC_2が産生されており、TNFにより産生が高まることが明かとなった。またL929細胞より得られた全てのかNF耐性株で、TNFによるアラキドン酸の遊離、およびPGE_2の産生増加が観察されなかった。以上の事実はPG産生と細胞傷害活性の関連を示唆さしている。本研究は、細胞情報伝達、増殖、癌化機構などの解明にも役立つものと思われる。
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