研究課題/領域番号 |
02671048
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人類遺伝学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
藤井 寿一 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (70107762)
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研究分担者 |
三輪 史朗 (財)沖中記念成人病研究所, 所長 (40034954)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1990年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 赤血球酵素異常症 / グリコ-スー6ーリン酸脱水素酵素異常症 / 変異酵素 / 遺伝子移入 |
研究概要 |
グルコ-スー6ーリン酸脱水素酵素(G6PD)異常は、薬剤惹起性溶血発作ないし慢性溶血を伴うことのある赤血球酵素異常症であるが、大半は何ら臨床症状は呈さない。本酵素異常はアフリカ、地中海沿岸、東南アジアにおいて特に頻度が高く、世界で4億人以上が本酵素の異常遺伝子をもつと考えられている。G6PD異常症の病因解明は世界各国で進んでおり、既に20種の変異酵素遺伝子で塩基置換が同定されている。今年度はわが国で比較的頻度が高いG6PD UbeとG6PD Konanなどの変異酵素遺伝子が既知の塩基置換を有しているかどうかをpolymerase chain reaction法(PCR法)を用いて検索し、わが国で発見した変異G6PDと諸外国、特に東南アジアで頻度が高い変異酵素との異同を遺伝子レベルで検討し、わが国への遺伝子移入を明かにする事を目的に研究を進めた。G6PD Konan、G6PD Tokyoおよび未同定の2例の変異酵素を有するG6PD異常症患者白血球より染色体DNAを精製し、塩基置換により制限酵素切断部位の変化しているG6PD A^+、G6PD A^ー、G6PD Mahidol、G6PD Metaponto、G6PD Riverside、G6PD Tomah、G6PD Beverly Hillsの7種の変異酵素に特異的な各塩基置換部位を含む80〜400bpの塩基配列を、合成オリゴヌクレオチドプライマ-(22ーmer)を用いたPCR法にて増幅した。増幅DNAは各変異部位に特異的な制限酵素で処理したのち、ポリアクリルアミドゲル電気泳動にて分離、銀染色法により検出し、制限酵素切断パタ-ンより各塩基置換の有無を判定した。今回、対象とした4種の日本人G6PD変異酵素遺伝子DNAは、検索した7種の変異酵素遺伝子DNAに特異的な制限酵素切断パタ-ンは見られず、既知の塩基置換を有していない事が明らかになった。すなわち、これら4種の日本人G6PD異常症の病因は未知の部位の塩基置換で、日本人に固有の変異酵素である事が強く示唆された。現在、これら日本人の変異G6PD遺伝子について、変異部位の決定を進めている。
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