研究概要 |
パルスパワ-技術の発展と共に,10^<20>/cm^3,数keVを越える高温・高密度プラズマが生成されるようになってきた。数十n秒と短時間ではあるが,100GWを越えるパルスパワ-を狭い空間に注入できるようになったことによっている。生成された高エネルギ-密度プラズマの応用は,軟X線や中性子源,X線レ-ザ,荷電粒子ビ-ム源,加速器など幅広い分野に発展しつつある。 従来,水コンデンサとマルクスバンクを使った容量性エネルギ-蓄積方式パルスパワ-発生装置が,高エネルギ-密度プラズマ生成のための電源として使われてきた。しかしながら,この装置は巨大であり,研究所規模でしか設置維持が困難であった。自ずと研究者も限られているのが現状である。 本研究の目的は,熊本大学で開発されている軽量コンパクトな誘導性エネルギ-蓄積方式パルスパワ-発生装置を使って,ガスパフZピンチ方式により高エネルギ-密度プラズマが生成できることを明らかにすることである。誘導性エネルギ-蓄積方式パルスパワ-発生装置として、ASOーIとASOーIIが稼働しているが、100kAの出力を持つASOーIIを用いて実験した。ASOーIIのオ-プニングスイッチを動作させた場合と動作させない場合、すなわち、負荷電流の立ち上がりが速い場合と遅い場合について、高エネルギ-密度プラズマから発生する軟x線の比較を行った。負荷電流の立ち上がりが速い方が、電流値が小さいにも関わらず、軟X線の出力が大きかった。この結果から、オ-プニングスイッチを用いて、電源エネルギ-を短時間の間にプラズマに転送する誘導性エネルギ-蓄積方式パルスパワ-発生装置は、高エネルギ-密度ブラズマの発生に有効であることが分かった。
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