| 研究概要 |
論理型言語と関数型言語の統合化は実用上のみならず意味論上からも重要である.いくつかの言語は,関数による等号形式を論理型言語に組み込んで構成されている。その場合,導出演繹が主な計算機構であり,項書き換え規則やnaraowing等が導出演繹に組み込む接近法を取るが,異なる計算機構の整合が問題となる。本研究においては,関数プログラムFPの等号形式を論理プログラムに統合する問題を扱うが,統合化された言語の意味すなわち計算機構はデ-タフロ-に基づいている。
最初に,論理プログラムの意味論をデ-タフロ-に基づいて定式化した。意味領域は,代入操作の有限および無限の系列全体からなっている場合と変数に構造的な記号を与えた系列全体からなっている場合がある。
次に,関連する問題として論理プログラムのネットワ-ク系をデ-タフロ-によって定式化し,その振舞いを扱った。
さらに,論理プログラムと関数プログラムを考察する一課題として,論理プログラムの関数性を抽出し,関数プログラムに変換する問題を扱った。すなわち,デ-タフロ-機構に基き,論理プログラムが関数プログラムと見なせる形式論を明きらかにした。
最後に,関数プログラムの等号形式を包む論理プログラムという統合化言語の意味論を扱った。異なる計算機構の整合を問題にせずに,デ-タフロ-という単一の機構を反映した,代数的な形式によって意味を与えた。論理プログラムのためのデ-タフロ-構成論を新たな代数的形式により展開したことにもなり新規な結果を与えている。
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