研究課題/領域番号 |
02680140
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物質生物化学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
笠井 献一 帝京大学, 薬学部, 教授 (40001052)
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研究分担者 |
平林 淳 帝京大学, 薬学部, 助手 (40156691)
大山 雄二 帝京大学, 薬学部, 助手 (90129982)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1991年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1990年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 動物レクチン / ガラクトシド結合レクチン / ヒトレクチン / ニワトリレクチン / cDNAクロ-ニング / 組換えたんぱく質 / 部位特異的突然変異 / ガラクトシド総合レクチン / cDNAリロ-ニング / 組換たんぱく質 |
研究概要 |
脊椎動物に存在する金属非依存性のβーガラクトシド結合性レクチンは、胚の発生、組織の形態形成などの多彩な制御現象において、複合多糖との相互作用を通じて重要な役割を果たし、さらには免疫現象や癌細胞の転移などへも関与すると考えられている。本研究においては、ニワトリに存在する2つのイソレクチンのうち、これまで未解明であった16K型について、全アミノ酸配列、cDNAの全ヌクレオチド配列、組変え蛋白質の大腸菌内での発現、胚発生過程における消長、などについて解明した。これにより、胚の発生と分化、皮膚や軟骨などさまざまな組織の形態形成における役割、脊椎動物におけるこれらのレクチンの分子進化についても意義ある考察ができた。ヒトの14K型レクチンについては、部位指向性突然変異の手法により、アミノ酸残基を置換した組変えレクチンを種々調製し、その性状を調べた。この結果、従来は必須と考えられてきた保存性の高いトリプトファンやシステインが、糖結合活性には必須ではないという予想外の知見がえられた。またヒトに存在する別のタイプ、すなわち29K型レクチンのcDNAを乳癌由来の培養細胞からクロ-ン化することに成功し、このレクチンの性状および存在意義の解明、癌化との関連などの研究を促進できた。爬虫類からこの型に属するレクチンを確認する目的で、すでに存在は知られていた蛇毒中のレクチンのアミノ酸配列を決定したところ、カルシウム依存型レクチンと相同性をもつ蛋白質であることが判明し、爬虫類におけるカルシウム依存型レクチンの最初の確認の例となった。以上の成果より、未知の点が多く残されている糖鎖がらみの生体制御を理解するための多くの手がかりが得られた。
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