研究課題/領域番号 |
02680142
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物質生物化学
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
水落 次男 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 助教授 (90133149)
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研究分担者 |
浜子 二治 藤田学園衛生技術短期大学, 助手 (80180933)
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研究期間 (年度) |
1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1990年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 慢性関節リウマチ / 免疫グロブリンG / 自己免疫疾患モデル / 糖鎖リモデリング / MRL マウス |
研究概要 |
まず昨年度の研究成果に基づいて、リウマチ因子(抗IgG抗体)を産生するMRL/lprマウスと健常マウス(MRL/n)の血清よりプロテインAーセファロ-ズCLー4BカラムおよびセファクリルSー300カラムを用いてIgGを単離精製した。リウマチ因子産生マウス(MRL/lpr)からは、ガラクト-スを欠くという糖鎖異常を起こしたIgGと健常マウスと同様の糖鎖パタ-ンを示すIgGの二種のIgGを単離精製し、健常マウス(MRL/n)からは一種のIgGを精製した。つぎに、健常マウス由来のIgG標品を種々のシアリダ-ゼおよび種々のβーガラクトシダ-ゼで処理した後、プロテインAーセファロ-スカラムを用いて種々の酵素処理IgGを再度単離精製した。そして、それらIgGをSDSーPAGEにかけるとともに、ヒドラジン分解にかけて糖鎖を遊離して糖鎖構造解析を行い、IgG分子から蛋白質部分を壊さずにシアル酸とガラクト-スを完全に除去する方法を検討した。その結果、IgG分子をArthrobacter ureafaciensのシアリダ-ゼで処理した後に、Streptococcus6646Kのβーガラクトシダ-ゼで処理することで、シアル酸およびガラクト-スを完全欠損するが蛋白質部分は壊されていない糖鎖リモデリングIgGを作製できることを明かにできた。そこでこの糖鎖リモデリングIgGと未処理IgG、並びにMRL/lprマウスより得た二種のIgGについて抗原性の検討を行うとともにそれらの生理活性の違いを調べた。その結果、予備的ではあるが、MRL/lprマウス由来の糖鎖異常IgGは健常マウス(MRL/n)にIgM型のリウマチ因子を産生させること、調べた15クロ-ンのモノクロ-ナルリウマチ因子のうち1クロ-ンが糖鎖リモデリングIgGと未処理IgGを識別すること、マクロファ-ジFcレセプタ-に対して糖鎖リモデリングIgGが未処理IgGよりも強い親和性を示すことを見いだした。以上の知見は、IgGの糖鎖異常がリウマチ因子の産生や疾患の発症に関与していることを意味している。
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