研究課題/領域番号 |
02680167
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代謝生物化学
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研究機関 | 奈良県立医科大学 (1991) 金沢大学 (1990) |
研究代表者 |
森 俊雄 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (10115280)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1991年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1990年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | シクロブタン型ピリミジンダイマ- / (6ー4)photoproduct / モノクロ-ナル抗体 / XP revertant / 色素性乾皮症 / 紫外線 / DNA修復 / ELISA / シクロブタン型ダイマ- / (6ー4)型ダイマ- / ミクロブタン型ピリミジンダイマ- / XP細胞 / 修復遺伝子 |
研究概要 |
色素性乾皮症患者由来細胞(XPーA),XPーAからの復帰突然変異細胞(XPーrevertant)および正常細胞の紫外線線量ー生存率曲線を描いた結果、XPーrevertantはCleaverらによって示されたように、正常細胞に匹敵する紫外線抵抗性を獲得していることが確認された。紫外線抵抗性とDNA損傷の修復との関係を調べるために、10J/m^2の紫外線を照射した3種の細胞におけるシクロブタン型ダイマ-と(6ー4)photoproductの修復動態を新しく樹立に成功したモノクロ-ナル抗体(TDMー2と64Mー2)を用いた酵素標識免疫法(ELISA)で検討した。(6ー4)photoproductの修復では、XPーAが照射後24時間でも20%しか修復できないのに対し、正常細胞では3時間以内に90%を越す修復がみられた。また、XPーrevertantは正常細胞にきわめて近い修復を示した。一方、シクロブタン型ダイマ-の修復においては、XPーA,XPーrevertantおよび正常細胞は照射後24時間後にそれぞれ20%,40%および60%の修復を示した。これらの結果は、XPーrevertantは(6ー4)photoproductの修復は正常であるが、シクロブタン型ダイマ-に修復欠陥を示すという点でCleaverらの結果と一致した。しかしながら、シクロブタン型ダイマ-の修復欠陥はあくまで部分欠陥であり、完全欠陥であるとするCleaverらのものとは異なる結果となった。そこで2J/m^2といった低線量の紫外線を用いることにより高い修復率が期待できる条件下で、再度シクロブタン型ダイマ-の修復実験を試みた。その結果、新しい実験条件下でもXPーrevertantはXPーAと正常細胞の中間の修復能を示し、部分的修復欠陥であることが再度確認された。また、この修復結果は紫外線照射後に複製された全DNA量で補正されても変化が見られなかった。この結果より、紫外線による細胞死の原因損傷は、(6ー4)photpproductに加えてシクロブタン型ダイマ-の可能性も除去できないことが明白となった。
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