研究課題/領域番号 |
02680176
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線生物学
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研究機関 | 放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
大山 ハルミ 放射線医学総合研究所, 障害臨床研究部, 主任研究官 (70160645)
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研究分担者 |
三田 和英 放射線医学総合研究所, 生物研究部, 主任研究官 (30159165)
山田 武 放射線医学総合研究所, 生物研究部, 室長 (30166714)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1991年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1990年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 放射線細胞死 / 自爆死 / 胸腺細胞 / ユビキチン遺伝子発現 / クロマチンDNA断片化 / 胸腺リンパ腫 / 放射線高感受性細胞 / apoptosis / 放射線誘発細胞死 / 細胞生存曲線 / ユビキチン / DNA断片化 |
研究概要 |
放射線誘発の胸腺細胞死は、RNA、タンパク質合成依存性の、いわば細胞自殺過程であり、自爆死(apoptosis)と呼ばれるプログラム死である。この細胞自殺の分子機構解明のため、先ず、ラット胸腺細胞のX線照射後の変化を調べた。細胞死に伴うタンパク質の変動を二次元電気泳動で調べた結果、いくつかのタンパク質変化が検出され、特に細胞核での多くのタンパク質の消長が認められた。さらに、阻害剤による研究から、タンパク質分解およびタンパク質燐酸化も自爆死発現に関与することが示された。また、RNA合成に関しては、タンパク質分解等に関与することが知られているユビキチン遺伝子、特にポリユビチキンン遺伝子が細胞死に先行して早期の発現し、その後細胞死進行と共に低下することがわかった。自爆死に最も特徴的生化学的変化である、DNAのオリゴヌクレオソ-ム単位の断片化をミクロゲル電気泳動で検出する方法を、本研究で確立した。この方法により、個々のDNA分解細胞のDNA泳動像はほぼ同一で、涙滴状に泳動される分解DNAと少量の非泳動残存DNAが存在すること、非分解細胞と中間段階の細胞はないことがわかった。この知見は、個々の細胞のDNA断片化は、一旦開始すると急速に一定分解状態に達し直ちに停止することを示している。また、自爆死の形態学的特徴とされるクロマチン凝縮細胞の割合と、DNA分解細胞割合一致し、生化学的変化と形態学的変化の関連を証明することができた。胸腺細胞での研究と平行して培養細胞の自爆死の検索を進め、本研究所で新たに樹立された胸腺リンパ腫数株が、胸腺細胞よりもはるかに放射線高感受性に自爆死による間期死を起こすことを見いだした。胸腺細胞と多少異なる点もあるが、多くの共通する変化を認めた。コロニ-形成能で判定した放射線感受性もきわめて高く、最も高感受性の細胞のD0は0.3Gyであった。現在、これらの培養細胞の自爆死についても検索を進めている。本研究で確立したa自爆死の研究手法、培養細胞は放射細胞死機構の解明に資すると考えられる。
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