1.生物季節観測 北海道内の各営林署、林務署、中学校、高校、自然保護団体その他に平成2年度と同様の方法により観測を依頼し、春・秋の2回に分けて報告頂いた。また、秋には札幌、帯広、網走、旭川にて、生物季節に関する現地観測を実施した。1987年以来ご協力頂いてきた営林署および林務署による観測資料は、5年分蓄積した。これらの資料を解析することにより、北海道における生物季節の年々の変化、および5年間の平均的な分布に見られる諸特徴が明らかになった。 2.季節暦の作成 気象官署による生物季節・気象現象(長期積雪初終日、降雪初終日、結氷初終日など)に関する資料、および本研究による上記の観測資料を複合的に解析し、函館、札幌、倶知安、帯広、釧路、網走の6地域における、生活実感にマッチした季節暦を作成した。 3.季節区分 上記の季節暦をさらに発展させ、上記6地域における季節区分を行った。冬期間には、生物季節観測資料が得られないため、長期積雪初終日に関する資料を併用した。本研究による北海道の季節区分の概要は次の通りである。(1)初春(ヒバリの初鳴日〜タンポポの開花日。日最低気温>0℃)、(2)春(カッコウの初鳴日まで。日最高気温>10℃)、(3)晩春(ライラックの満開日まで。日平均気温>10℃)、(4)初夏(アブラゼミの初鳴日まで、日最高気温>15℃)、(5)夏(ヤマハギの開花日まで。日最高気温>21℃)、(6)晩夏(ススキの開花日まで。気温は下降期に入る。)(7)初秋(ツバメの終見日まで。日最低気温<15℃)、(8)秋(モミジ・カエデ類の紅・黄葉日まで。日最低気温<10℃)、(9)晩秋(モミジ・カエデ類の落葉日まで。日最低気温<15℃)、(10)初冬(長期積雪初日まで。日最低気温<0℃)、(11)冬(長期積雪終日まで。日平均気温<0℃)、(12)晩冬(ヒバリの初鳴日まで。日最低気温<0℃)。
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